経営状況分析結果通知書の見方
Y点(経営状況評点): これが、この通知書で最も重要な点数です。
このY点が、最終的なP点(総合評定値)の計算に利用されます。
全国の建設会社の平均点が700点になるように設計されているため、700点を超えていれば平均以上、下回っていれば改善の余地があると言えるでしょう。
Y点(経営状況評点)の重要性とP点における位置づけ
Y点(経営状況評点)は、経営事項審査(経審)の最終的な評価であるP点(総合評定値)を算出する上で、非常に重要な要素です。
このY点は、あなたの会社の財務状況、具体的には収益性、安全性、効率性、生産性など8つの指標を詳細に分析して算出されます。全国の建設会社の平均が700点になるよう設計されており、700点を超えていれば平均以上、下回っていれば改善の余地がある、と判断する目安になります。
P点(総合評定値)の計算式におけるY点の位置づけ
P点(総合評定値)は、以下の計算式で算出されます。
この式を見てわかる通り、Y点には0.20というウェイト(掛け率)がかけられています。これは、X1(完成工事高)とZ(技術力)の0.25に次いで、P点に与える影響度が大きい項目であることを示しています。つまり、Y点を改善し、点数を上げることは、P点全体の向上に直接的に貢献し、ひいては公共工事の受注機会拡大に繋がる重要な経営戦略となります。
経営状況分析結果通知書を読み解くポイント
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Y点の絶対値と平均との比較: まずY点そのものが高いか低いか(目安は700点)を確認し、自社の立ち位置を把握しましょう。
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8つの指標の点数を個別に確認: Y点が高い場合でも、どの指標が強く、どの指標が弱いのかを見つけることが重要です。個々の指標の点数と、その点数を導き出した貴社の実際の数値(例えば、売上高経常利益率が何%か)を照らし合わせましょう。
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低い指標の改善点を特定: 点数の低い指標があれば、その改善に努めることでY点の引き上げに繋がり、結果としてP点アップにも貢献します。
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例:「負債回転期間」が高い(悪い)場合は、負債の圧縮を検討する。
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例:「売上高経常利益率」が低い場合は、経費の見直しや売上総利益の改善を図る。
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この経営状況分析結果通知書は、会社の「健康診断書」のようなものです。定期的に内容を確認し、自社の財務体質を客観的に把握し、健全な経営戦略を立てる上で非常に役立ちますよ。