「遺言書なんて、まだ先の話でしょ?」 「うちは家族仲がいいから、もめるはずがない」 「分けるほどの財産なんてないし……」
相談現場でよく耳にする言葉ですが、実はこれこそが「相続」が「争族」に変わってしまう一歩手前のサインかもしれません。
今日は、遺言書を「いつか」ではなく「今」書くべき理由について、少し踏み込んでお話しします。
1. 遺言書を一番望んでいるのは、誰か?
遺言書を書くのはご本人ですが、実はその完成を一番心待ちにしているのは、「遺される配偶者」かもしれません。
長年連れ添ったパートナーが亡くなった後、悲しみに暮れる間もなく始まるのが相続手続きです。もし遺言書がなければ、他の親族(お子様や、時には義理の兄弟など)と遺産分割の話し合いをしなければなりません。
どんなに仲の良い親族でも、お金や権利が絡むと主張が食い違うものです。その矢面に立つ配偶者の精神的な負担は、私たちが想像する以上に重いものです。
2. 「不動産」という分けにくい財産の落とし穴
「うちは財産なんてないから」とおっしゃる方の多くが、「今住んでいる自宅(不動産)」を所有されています。
現金であれば1円単位で分けられますが、不動産はそうはいきません。
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「この家は長男に継がせたい」
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「でも、次男に渡すだけの現金が足りない」
こうしたケースで、バランスの取れた分け方をあらかじめ指定しておけるのが遺言書の力です。特定の不動産を誰に託すのか、そして他の相続人とのバランスをどう取るのか。元気なうちであれば、ゆっくりと、そして冷静に最適解を見つけることができます。
3. 「そのうち」が、一番のリスク
「もう少し落ち着いてから」「体が弱ってから」……。 そう思っているうちに、判断能力が低下してしまったり、突然の病に倒れてしまったりすることもあります。
遺言書は、「意思能力(判断力)」がしっかりしている時でなければ、法的に有効なものを作成することができません。
結びに:愛する家族を守る「最後の手紙」
遺言書は、単なる事務的な書類ではありません。 家族がこれからも仲良く暮らしていくための、あなたからの「道しるべ」です。
「うちは仲がいいから大丈夫」という確信を、未来も守り続けるために。 心身ともに元気な今こそ、重い腰を上げて準備を始めてみませんか?
「何から手をつければいいかわからない」 「うちの状況だと、どう分けるのが正解?」
そんなお悩みがあれば、ぜひ一度お気軽にご相談ください。行政書士として、あなたのご家族の未来を一緒に考えさせていただきます。
まずは財産の一覧を作ってみませんか?