マイナ保険証の完全移行と救急現場での活用「マイナ救急」
マイナンバーカードの活用範囲は、医療分野を中心に大きく広がっています。特に、従来の健康保険証の廃止と、救急現場での活用は重要なポイントです。
マイナ保険証の完全移行スケジュール
国が定める大きな節目は、2025年12月2日です。
これは、従来の紙やプラスチックの「健康保険証」の新規発行が廃止され、原則としてマイナンバーカード(マイナ保険証)を基本とする仕組みへ完全に移行する日です。
-
経過措置について: 2024年12月1日までに発行された有効な健康保険証は、その有効期限まで、または最長で2025年12月1日までは引き続き使用できます。
命を守るマイナ保険証の活用:マイナ救急
マイナンバーカードは、緊急時の救命率向上にも貢献します。「マイナ救急」とは、救急隊員が傷病者のマイナ保険証(健康保険証として利用登録したマイナンバーカード)を活用し、医療情報を迅速に閲覧する仕組みです。(本格的な全国展開は2025年10月1日からの予定です。)
マイナ救急の主な目的と効果
この取り組みは、救急現場において、傷病者の過去の受診歴や処方薬などの正確な医療情報を迅速に把握し、より適切で円滑な救急活動を行うことを目的としています。
-
傷病者やご家族の負担軽減: 意識がない、体調が優れない、あるいは薬の名前を覚えていないなどの場合でも、正確な医療情報が救急隊に伝わります。
-
迅速かつ適切な処置・搬送: 正確な病歴や服薬情報に基づき、現場での適切な応急処置と、傷病者に最適な搬送先病院の選定がスムーズに行えます。
-
搬送先病院での治療準備促進: 事前に医療情報が病院に共有されるため、病院側が早期に治療の準備を整えることができます。
仕組みのポイント
-
情報の閲覧方法: 救急隊員は、救急車に備え付けのカードリーダーとタブレット端末を使い、マイナ保険証を読み取ります。
-
閲覧情報の限定: 閲覧できるのは、氏名、住所などの基本情報と、救急活動に必要な受診歴、薬剤情報などの医療情報に限定されています(税や年金などの情報は閲覧できません)。
-
同意と本人確認: 原則として傷病者本人またはご家族の同意を得て情報を閲覧します。また、本人確認は顔写真で行うため、暗証番号の入力は原則不要です。
この重要な取り組みの恩恵を受けるため、万が一に備えて健康保険証として利用登録したマイナンバーカード(マイナ保険証)を常に携行することが推奨されています