富山の融雪にも必須!さく井工事(ボーリング)の仕組みと地下水利用のメリット

「さく井工事」と聞いても、あまり聞き馴染みがないかもしれません。しかし、これは私たちの暮らしや産業、そして災害対策にとって非常に重要な役割を担っている工事です。

一言でいうと、さく井工事とは、さく井機械などを使って地中に穴を掘り、地下水などを汲み上げるための井戸を築造する工事のことです。一般的には「井戸掘り工事」「ボーリング工事」と呼ばれることもあります。

 

さく井工事の主な役割

さく井工事の目的は、単に地面に穴を掘ることではありません。掘削した穴を利用して、地下資源(主に水)を安全かつ安定的に利用できるようにすることにあります。

 

1. 地下水の利用(水源井)

最も一般的な目的は、地下水を取り出すための井戸を作ることです。

  • 生活用水・雑用水:家庭や事業所での水道代節約、庭木への散水などに利用されます。

  • 産業用水:工場やプラントなどで大量に水が必要な場合の水源となります。

  • 消雪・融雪:富山のような雪国では、年間を通して水温が安定している地下水を融雪装置(消雪パイプ)に利用するために井戸が掘られます。

 

2. 災害対策

地震や台風などで水道が断水した際、さく井工事によって作られた井戸は、生活用水を確保できる貴重な自家水源として機能します。

 

3. その他

地下水利用以外にも、以下のような目的でさく孔(穴を掘る作業)が行われます。

  • 観測井:地下水位や水質を測定し、地下水の状況を把握するための井戸。

  • 温泉掘削:温泉を開発するための掘削。

 

工事の具体的な流れ

さく井工事は、まず地層や地下水脈の事前調査から始まり、安全に井戸を完成させるため、いくつかの専門的な工程を経て行われます。

  1. 事前調査・設計:地下水脈や地質を調査し、井戸の深さ(深度)や工法を決定します。

  2. 掘削(さく孔・さく井):専用の機械を用いて、目的の深さまで穴を掘ります。

  3. 仕上げ:掘った穴にケーシング管(パイプ)を挿入し、地下水を集めるためのスクリーンやフィルターを設置します。

  4. 揚水試験・水質検査:ポンプを設置し、水の量や水質を調べ、安全性を確認して完成となります。

このようにさく井工事は、安定した水源を確保し、私たちの生活を豊かに、そして災害に強くするために欠かせない、非常に専門性の高い建設工事なのです

さく井工事業の許可は、工事の定義から理解することが第一歩です。許可取得でお困りの方は、ぜひ弊所までお気軽にご相談ください。

「建設業許可」「造園工事」「造園業」の違いについてですね。それぞれの意味と関係性は以下のようになります。

1. 建設業許可(造園工事業の許可)

  • 定義・目的: 建設業法に基づき、一定の規模以上の建設工事を請け負うために必要な許可です。

  • 造園工事業との関係: 建設業の29業種の一つとして「造園工事業」があります。

    • この許可が必要となる「造園工事」とは、請負金額が税込500万円以上(または建築一式工事の場合は1,500万円以上など)の造園に関する建設工事を指します。

    • 軽微な工事(500万円未満の工事)のみを請け負う場合は、建設業許可は不要です。

 

2. 造園工事(建設業法上の定義)

  • 定義: 建設業法上の「造園工事業」が対象とする工事です。

    • 具体的には、整地、樹木の植栽、景石の据付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事を言います。

    • 例: 植栽工事、景石工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、屋上等緑化工事、緑地育成工事(土壌改良や支柱設置を伴うもの)など。

  • 重要なポイント: 単に植木を剪定したり、草刈りをしたりするだけの維持管理や軽作業は、原則として建設業法上の「造園工事」には該当せず、建設業許可は不要とされています。これらは通常「役務」や「園芸サービス」として扱われます。

 

3. 造園業

  • 定義: 造園に関する業務全般を行う事業や職業そのものを指す、一般的な名称です。

  • 含まれる範囲:

    • 庭園、公園などの設計・施工(←これが建設業法上の「造園工事」に該当することが多い)

    • 庭木の剪定、伐採

    • 草刈り、除草

    • 植栽の維持管理

    • 外構工事の一部など、多岐にわたります。

 

項目 建設業許可(造園工事業) 造園工事(建設業法上のもの) 造園業(一般的な用語)
対象 一定規模以上の工事を請け負うための資格・許可 建設工事に該当する作業内容 造園に関する業務全般
必要性 請負金額が500万円以上の造園工事を行う場合に必須 庭園の築造、緑化、植生復元など、構造物を伴う工事 事業を営むこと自体に特段の許可は不要(ただし、廃棄物処理など別途許可が必要な場合あり)
範囲 許可があればできる仕事の範囲 建設業法で定められた特定の作業

剪定、草刈り、維持管理なども含む広い概念

つまり、「造園業」という事業者が行う業務のうち、「造園工事」という定義に該当し、かつ500万円以上の請負金額になる場合に、「建設業許可(造園工事業)」が必要になる、という関係です。

建設業許可の取得や維持でお悩みの際は、どうぞお一人で抱え込まずご相談ください。 お客様の状況に合わせ、親身になって最適な解決策をご提案いたします。

今回は、建設業許可29業種の一つである「電気通信工事」について解説します。「電気工事」と混同されがちですが、現代社会のインフラを支える、非常に重要な工事です。

皆様の事業が、この「電気通信工事」に該当するかどうかの判断や、許可申請でお悩みでしたら、ぜひ最後までお読みください。

 

1. 建設業法でいう「電気通信工事」の定義

建設業法でいう「電気通信工事」とは、有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備などの電気通信設備を設置する工事を指します。

簡単に言えば、「情報と通信」に関わる設備を建物や敷地内に物理的に設置・構築する工事全般です。

 

2. 具体的な工事内容の例:身近な情報インフラを支える

「電気通信工事」の種類は多岐にわたりますが、皆様のオフィスや生活に直結する身近な工事を具体的に見てみましょう。

 

建物内・オフィス内の工事(内線工事)

種類 具体的な工事内容
LAN・インターネット工事 オフィスや家庭でPCや複合機をネットワーク接続するためのLANケーブルの配線、ルーターやHUBなどのネットワーク機器の設置、サーバー室の構築。
電話設備工事 ビジネスフォン(主装置・PBX)の設置や交換、電話線の屋内配線(新設・移設・増設)、病院や施設でのナースコール設備の設置。
情報処理・表示設備工事 サーバーやコンピュータ本体の設置・整備、商業施設やオフィスでのデジタルサイネージ、会議室の大型ディスプレイの設置。
セキュリティ・弱電設備工事 情報を伝達する機器として、防犯カメラ・監視カメラの設置と配線、インターホン設備、ICカードなどによる入退室管理システム(電気錠など)の設置

外部・インフラの工事(外線工事)

種類 具体的な工事内容
光ファイバー・線路工事 電柱間や地下に光ファイバーケーブルやメタルケーブルを敷設・接続する工事。主にNTTなどの基幹回線や引き込み回線に関する工事。
携帯電話基地局工事 モバイル通信(5Gなど)のためのアンテナや無線設備、電源装置などを屋外や屋上に設置し、通信エリアを整備・拡張する工事。
TV共聴・放送設備工事 マンションなどの集合住宅でテレビを共同視聴するためのアンテナ(空中線設備)の設置、学校や公共施設での非常放送設備、音響設備(マイク・スピーカー・アンプ)の設置
電波障害対策工事 高層ビル建設などにより発生したテレビ電波の障害を解消するための受信設備の構築や、ケーブル敷設。

3. 行政書士の視点:法律で求められる手続きとは?

これらの電気通信工事を請け負う際に、特に注意が必要なのが、請負金額による「建設業許可」の必要性、そして「特定通信設備工事の届出」です。

 

建設業許可(電気通信工事業)

請負金額が500万円(税込)以上の電気通信工事を請け負う場合、「電気通信工事業」の建設業許可が必要です。

行政書士の役割: 経営業務の管理責任者や専任技術者の要件証明、財産的基礎の証明など、複雑な許可申請書類の作成・収集・提出をサポートし、スムーズな許可取得を支援します。

 

特定通信設備工事の届出との関連性

特定の重要な通信インフラ工事を請け負う場合、建設業許可とは別に、「特定通信設備工事の届出」が必要になることがあります。

これは、NTT東西日本などの「指定設備設置者」が設置する、国民生活に不可欠な基幹的な通信回線設備に関する工事が該当します。

  • 行政書士の役割: 依頼される工事がこの届出の対象となるかを判断し、技術者体制を含めた届出に関するサポートを行います。

電気通信工事は、見えないところで私たちの「つながり」を支える大切な仕事です。この分野で事業を拡大するには、法律に基づいた許可・届出が不可欠です。

電気通信工事業の許可要件や、新しい技術分野(IoT、ドローン関連など)での法規制についてご不明な点がありましたら、建設業専門の行政書士として、お気軽にお問い合わせください。

保温・保冷・ラッキング工事は、建物の省エネルギー化と設備の安全維持に不可欠です。しかし、事業をさらに発展させるためには、ある大きな壁があります。それが「建設業許可」です。

本記事では、熱絶縁工事業の皆様が知っておくべき建設業許可の基本と、取得の重要なポイントを、行政書士が解説します。

 

1. 熱絶縁工事業とは?改めて工事の内容を整理

まず、建設業法における熱絶縁工事の定義を再確認しましょう。

熱絶縁工事業とは、「工作物(建物)やその設備を熱から絶縁(遮断)する工事」を行う業種です。

工事の種類 概要 目的
① 保温工事 蒸気配管やダクトなどにグラスウールなどの保温材を巻き付ける。 熱が逃げるのを防ぎ、エネルギー効率を向上させる。火傷防止。
② 保冷工事 冷媒管などにウレタンフォームなどの保冷材を巻き付ける。 外部の熱侵入を防ぎ、結露による設備の腐食や水滴の落下を防ぐ。
③ ラッキング工事 保温・保冷材の上から金属板などでカバー(外装)を行う。 断熱材の保護と耐久性の向上。

これらの工事は、工場、商業施設、病院など、温度管理が重要なあらゆる場所で行われます。

 

2. なぜ熱絶縁工事業で「建設業許可」が必要なのか?

「軽微な工事しかしていないから大丈夫」と思っていませんか?

建設業許可が必要になる最も重要な基準は、請負金額です。

 

 許可が必要になる基準(原則)

1件の工事の請負代金が500万円(税込)以上になる場合、熱絶縁工事業の許可が必要です。

 

 許可を取得する3つの大きなメリット

許可を取得することで、会社の経営基盤と信用力は飛躍的に向上します。

  1. 事業規模の拡大: 500万円以上の大きな工事を合法的に請け負うことが可能になり、元請け大手企業からの受注チャンスが格段に増えます。

  2. 会社の信用力アップ: 許可業者は経営体制や技術力が国(または都道府県)に認められている証拠であり、金融機関や発注者からの信用が得やすくなります。

  3. 入札への参加: 公共工事の入札参加資格を得るための前提条件となります。

 

3. 熱絶縁工事業の許可取得に必須の3つの要件

建設業許可を取得するには、主に以下の要件をクリアする必要があります。特に「営業所専任技術者」の要件は複雑になりがちです。

 

① 経営業務の管理責任者(役員等の経験)

法人の役員や個人事業主として、熱絶縁工事を含む建設業の経営経験が5年以上ある人物が必要です。

 

② 営業所1専任技術者の確保(技術・経験の証明)

営業所ごとに、熱絶縁工事に関する専門的な知識と経験を持つ技術者が必要です。以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

ルート 要件の例
資格ルート 1級・2級熱絶縁施工技能士技術士(建設部門等)などの国家資格を保有している。
経験ルート 熱絶縁工事に関する10年以上の実務経験がある。

③ 財産的基礎(資金力)

自己資本の額が500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があること(一般建設業の場合)。

 

4. まとめ:許可取得は行政書士にお任せください!

熱絶縁工事業の建設業許可は、未来の事業拡大のための必須投資です。

特に「10年の実務経験証明」や「必要書類の準備」は非常に専門的で手間がかかり、不備があると審査が大幅に遅れる原因になります。

当事務所では、熱絶縁工事業の許可申請を多数サポートしております。貴社が本業に専念できるよう、複雑な書類作成と申請手続きを全面的に代行いたします。まずはお気軽にご相談ください!

建設業許可の「機械器具設置工事」は、その範囲が専門的で非常に分かりにくい工事の一つです。

素人の方にも「なるほど!」と腑に落ちるような解説記事の構成案とポイントを提案します。

「機械器具設置工事」ってどんな工事?

 

 基本の定義

  • 国土交通省の定義をかみ砕いて説明します。

    • 定義1: 「機械器具の組立て等により工作物を建設する工事」

    • 定義2: 「工作物に機械器具を取付ける工事」

  • ポイント: 単に「既製品の機械を運び込んで据え付けるだけ」では終わらないことがポイントです。現場で組み上げて一つの「工作物(大きな機械設備)」を完成させたり、建物と一体化させたりする作業が含まれます。

 

具体的な工事の例

 ・​プラント設備工事: 工場やコンビナートの複雑な生産設備一式。

  • 運搬機器設置工事: エレベーターエスカレーター、工場内のホイストクレーンなど。

  • 立体駐車設備工事: 機械式の立体駐車場(パズル式など、機械で動くもの)。

  • 遊技施設設置工事: メリーゴーランドやジェットコースターなどのアトラクション。

  • 集塵機器設置工事: 工場などで粉じんを集めるための大きな設備。

素人が絶対に間違えやすい!他の工事との「境界線」

  • 「機械を設置するのに、なぜ別の許可が必要なの?」という疑問を解消します。

 

 ケース1:「管工事」の違い

  • 通常のエアコン設置や建物の給排水設備:管工事

  • トンネルや地下道の巨大な給排気機械の設置:機械器具設置工事

  • 考え方: 建築物内の一般的な空気調和や給排水は「管工事」の専門分野。建物を超えた大規模な機械(トンネル換気など)が「機械器具設置工事」になることが多い。

 

 ケース2:「とび・土工・コンクリート工事」との違い

  • 既製品の機械を現場に運び込み、アンカーで固定するだけの作業:とび・土工・コンクリート工事の「重量物の運搬配置」

  • 現場で多くの部品を組み立てて巨大な設備を建設する作業:機械器具設置工事

  • 考え方: 単なる運搬・据付・固定に留まるか、その場で機械そのものを組み上げて完成させるかが大きな分かれ目。

 

ケース3:「電気工事」「清掃施設工事」との違い

  • 発電設備でも、送配電設備など電気そのものに関わる部分は基本的に電気工事

  • 公害防止施設は、原則としてそれぞれの設備(排水処理なら管工事、集塵設備なら機械器具設置工事)に区分されます。清掃施設工事は「ごみ処理施設」など、その後の処理を含む複合的な施設全体を指すことが多いです。

 

許可でお困りの際はご相談ください

  • 再確認: 「機械器具設置工事」は、他のどの専門工事にも該当しない、複合的な機械設備を対象とする『特殊な工事』と覚えておきましょう。

  • 行政書士の役割: 複数の許可の境目が曖昧で判断に迷う場合(特に実務経験の証明時)に、最適な業種区分を判断し、許可取得までサポートするのが行政書士の仕事です。

 

事業規模の拡大に伴い、「建設業許可が必要だ」と考え始めたとき、多くの方が直面する疑問が「内装仕上工事業の許可を取るべきか?」「建築一式工事業の許可も必要か?」という問題です。

結論から言えば、この二つの許可は決定的に役割が異なります。

この記事では、多くの事業者が誤解しがちな「内装仕上工事」と「建築一式工事」の違いを明確にし、あなたが本当に取るべき許可がどちらなのかを解説します。

 

1.結論:工事の「範囲」と「元請けとしての役割」が異なる

まず、建設業許可は全29業種ありますが、大きく「専門工事」(内装仕上工事など)と「一式工事」(建築一式工事など)に分類されます。この分類こそが、両者の決定的な違いです。

項目 内装仕上工事(専門工事) 建築一式工事(一式工事)
工事の範囲 特定の専門分野(仕上げ)に特化。 建物全体の完成を請け負う。
主な役割 壁紙、床、天井、建具、家具の設置など、建物の内部の仕上げ 新築、増改築、大規模な改修など、複数の専門工事を統括・総合調整する元請けとしての役割
許可の必要ライン 500万円以上の専門工事を請け負う場合(元請・下請問わず)。 1,500万円以上の総合的な企画・指導・調整が必要な工事を請け負う場合。

2.内装仕上工事とは?(「仕上げ」に特化した専門工事)

内装仕上工事は、建物の中で私たちの目に触れる部分、つまり「仕上げ」に特化した専門性の高い工事です。

 

定義と具体例

  • 定義: 木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事です。

  • 具体例:

    • クロス(壁紙)の張替え

    • OAフロアの設置

    • 軽天下地工事

    • 造り付け家具の設置

重要なポイント

内装仕上工事は、請負金額がいくら大きくても、その工事内容が上記の専門分野のみであれば、「内装仕上工事」の許可が必要です。

間違えてはいけないのが、「内装仕上工事」の許可だけでは、他の専門工事(例えば電気工事や管工事など)を単独で500万円以上請け負うことはできない、という点です。

 

3.建築一式工事とは?(「総合的なマネジメント」)

建築一式工事の許可は、現場で手を動かす技術者というよりも、全体を管理・統括する役割に与えられる許可だと考えると分かりやすいでしょう。

 

定義と具体例

  • 定義: 単一の専門工事では括れない、複数の専門工事を有機的に組み合わせ、建築物全体を完成させるための総合的な企画、指導、調整を行う工事。

  • 具体例:

    • 新築工事

    • 建築確認が必要なレベルの、基礎から関わる大規模な増改築・改修工事

 

重要なポイント

  1. 元請けとしての許可: 建築一式工事は、原則として「元請け」の立場で受ける工事です。下請けとして、単に壁紙を張る工事を行う場合は、金額に関わらず「内装仕上工事」に該当します。

  2. 専門工事の施工は別: 建築一式工事の許可業者であっても、自社で500万円以上の内装仕上工事(専門工事)を直接施工する場合は、別途「内装仕上工事」の許可が必要になります。これは非常に誤解されやすいポイントです。

4.よくある誤解と行政書士からのアドバイス

特に内装工事業者様から寄せられる、建築一式工事に関するよくある誤解と、それに対するアドバイスをまとめました。

 

誤解1:「大規模な内装リフォームだから建築一式だ」

アドバイス: 請負金額が大きくても、工事内容が壁や床の張替え、間仕切り変更など「内装仕上工事」の範囲に収まるのであれば、建築一式ではなく「内装仕上工事」の許可が必要です。建築一式は、建物の骨格や全体の機能を総合的に管理する工事を指します。

 

誤解2:「建築一式の許可を取れば、内装も電気も全部できる」

アドバイス: 違います。建築一式許可は、複数の専門工事を元請として一括で請け負い、総合的に管理するための許可です。自社で500万円以上の専門工事(内装仕上工事など)を施工する場合は、その専門工事の許可も別途必要になります。

 

誤解3:「内装仕上工事の実務経験10年で、建築一式の専任技術者になれる」

アドバイス: 原則として、専任技術者はそれぞれの業種ごとに10年の実務経験が必要です。内装仕上工事の実務経験は、建築一式の実務経験としてそのままは認められません。(例外的な実務経験の振り替えルールはありますが、証明が非常に複雑です。)

 

5.まとめ:あなたが取るべき許可は?

内装仕上工事業を営む皆様が事業拡大を目指す際は、

  1. まず、請負金額500万円以上の内装工事を受注するために「内装仕上工事」の許可取得が基本となります。

  2. 将来的に、建物の新築や大規模増改築など、複数の専門工事を統括する「元請け」を目指す場合に「建築一式工事」の許可追加を検討するのが一般的な流れです。

「要件が複雑で分からない」「実務経験の証明に不安がある」など、どちらの許可が必要か、現在の事業内容を正確に判断するためにも、ぜひ専門家である行政書士にご相談ください。正確な許可を取得し、事業の信頼性と成長を確かなものにしましょう。

今回は、建物を雨漏りから守る大切な仕事、「防水工事業」で建設業許可を取得したいとお考えの事業者様向けに、許可の要となる「専任営業所技術者」の要件について詳しく解説します。

「防水工事の経験は十分あるけど、資格がないとダメなの?」 「大学で建築系を学んだけど、どれくらいの経験が必要?」

そんな疑問をこの記事でスッキリ解消しましょう!

 

1.「防水工事業」の建設業許可とは?

建設業許可は、請負金額が税込500万円以上の工事を請け負う場合に必要となる許可です。

「防水工事業」は、29種類の業種の一つとして独立しており、屋根、屋上、ベランダなどに防水モルタル、アスファルト、防水シート等を用いて行う工事を指します。

この許可を取得するためには、主に以下の4つの要件を満たす必要があります。

  1. 経営業務の管理責任者(経営の経験)

  2. 専任営業所技術者(技術力)

  3. 誠実性

  4. 財産的基礎

今回は、特に実務経験の証明がポイントとなる専任営業所技術者について掘り下げます。

 

2.専任営業所技術者になるための3つのルート(一般建設業の場合)

一般建設業の「防水工事業」で専任技術者となるには、主に次の3つのルートがあります。

 

ルート1:資格で証明する

最も分かりやすく、確実に証明できるのが、以下の国家資格等を持っている場合です。

資格名 備考
一級建築施工管理技士 特定建設業の専任技術者も兼ねられます
二級建築施工管理技士(仕上げ)  
技能検定「防水施工」一級  
技能検定「防水施工」二級 合格後、3年以上の実務経験が必要
登録防水基幹技能者  

ルート2:学歴と実務経験で証明する

資格はないけれど、大学や高校で指定学科を卒業している方は、実務経験と組み合わせることで要件を満たせます。

最終学歴 指定学科 必要な実務経験
大学・高等専門学校 土木工学、建築学など 卒業後 3年以上
高等学校・専門学校 土木工学、建築学など 卒業後 5年以上

ここでいう「指定学科」は、土木工学建築学に関する学科が該当します。卒業証明書や成績証明書等で確認が必要です。

 

ルート3:実務経験のみで証明する

上記1、2のいずれの要件も満たさない場合でも、防水工事業に関する実務経験が10年以上あれば、専任営業所技術者になることができます。

ただし、この10年の実務経験を証明するために、過去の工事請負契約書、注文書、請求書などの書類を膨大に提出する必要があります。この証明資料の収集と整理が、許可申請における最大の難関となることが少なくありません。

【緩和措置について】 「防水工事業」での経験が10年に満たない場合でも、「建築一式工事」などの関連業種の実務経験と合わせて12年以上あり、かつ「防水工事業」の経験が8年超あれば、特例として認められる場合があります。(各自治体で要件が異なる場合があるため、必ず確認が必要です。)

 

3.行政書士に相談するメリット

「うちの会社の社員は、どのルートで専任営業所技術者になれるのか?」 「10年の実務経験をどうやって証明すればいいのか?」

建設業許可は、たった一人の要件が欠けているだけで、申請が不許可になってしまう奥深い制度です。特に実務経験による証明は、膨大な書類の整理と行政庁との綿密な打ち合わせが必要となり、多くの時間と労力を要します。

当事務所のような専門の行政書士にご相談いただければ、

  • 貴社の現状をヒアリングし、最適な許可取得ルートをご提案

  • 技術者の資格や実務経験の証明書類の選定と整理をサポート

  • 不備のない申請書を作成し、スムーズな許可取得を実現

し、貴社が本業に専念できる環境づくりをサポートいたします。

防水工事業の許可取得をお考えでしたら、ぜひ一度、お気軽にご相談ください!

現場で判断に迷いやすい他業種との区別、そして許可取得・運用における法令遵守上の重要事項を、行政書士の立場から解説いたします。

建設業者様が適正に事業を継続し、お客様からの信頼を得るために、ぜひご一読ください。

 

1. 塗装工事業と「混同しやすい他業種」の正確な区別

建設業許可は全29業種に分類されており、事業者が請け負う工事内容に応じて、適切な業種の許可を取得する必要があります。

塗装工事業は、「塗料、塗材等を工作物に吹き付け、塗り付け、又は貼り付ける工事」と明確に定義されています。

しかし、外壁・屋根のリフォームでは複数の工事が複合的に行われるため、特に以下の業種との線引きが重要です。

 
比較される業種 塗装工事業との区分 行政書士が強調するポイント(法令上の区別)
防水工事業 【別業種】 シーリング(コーキング)や塗膜防水など、水の浸入を防ぐことを主たる目的とする工事は「防水工事業」です。一般的なひび割れ補修のためのシーリングは、塗装工事の「付帯工事」として扱える場合がありますが、専門的な防水施工は別途、防水工事業の許可が必要です。
屋根工事業 【別業種】 屋根の塗り替えは「塗装工事業」ですが、屋根材の葺き替えや張り替え、構造的な補修は「屋根工事業」に該当します。塗装工事業の許可だけで、これらの工事を請け負うことはできません。
とび・土工工事業 【別業種】 足場の設置・解体は「とび・土工工事業」です。ただし、自社が請け負った塗装工事に付随して行う足場設置は、「附帯工事」として塗装工事業の許可で施工が可能です。これは、建設業法第4条で認められた特例です。

法令遵守の鍵:「附帯工事」の判断

附帯工事」とは、主たる工事に付随して行われる他の種類の軽微な工事を指します。塗装工事業者が足場設置や簡単なシーリングを行うことができるのは、この附帯工事の原則によるものです。

しかし、附帯工事の範囲を超えて、実質的に主たる工事となるような他の業種の工事を請け負うと、無許可営業と見なされるリスクがあるため、常に契約内容の確認と適切な業種の許可取得が求められます。

 

2. 建設業許可を取得・運用する際の3つの重要注意点

許可を申請し、維持していくにあたって、法令遵守のプロとして以下の3点にご注意いただくよう促します。

 

注意点 1. 「500万円」は厳密に税込総額で判断すること

建設業許可が必要となる税込500万円以上という基準は、税法ではなく建設業法に基づき厳格に適用されます。

請負金額を計算する際は、消費税、材料費、及び元請けとして請け負う工事の全ての費用を合算しなければなりません。

特に、税込500万円に近い工事を行う際は、金額の僅かな増加や税率変動によって基準を超過し、無許可営業とならないよう、細心の注意が必要です。

 

注意点 2. 許可がない業種の工事は「500万円未満でも」請け負えない

塗装工事業の許可しかお持ちでない場合、屋根工事業防水工事業の工事は、たとえ500万円未満であっても、原則として請け負うことはできません(附帯工事を除く)。

これは、建設業許可が「業種別」に取得するものであり、「軽微な工事」の例外規定は、許可を取得している業種についてのみ適用されるからです。無許可営業を避けるため、請け負う工事の業種を明確にし、必要であれば複数の業種で許可を取得してください。

 

注意点 3. 許可の更新・業種追加に備えた疎明資料の確実な管理

許可取得時に必要となる「経営業務の管理責任者」や「専任技術者」の実務経験を証明するための疎明資料(契約書、注文書、請求書など)は、許可の維持・更新・業種追加の際に、その継続性を証明するために非常に重要です。

これらの書類を最低5年間、できれば永続的に、誰が見ても分かる形で整理・保管しておくことが、建設業許可を円滑に維持するための鉄則です。

塗装工事業の建設業許可は、信頼性の証明であり、事業拡大の土台となります。

当事務所では、これらの法令上の複雑な判断や、必要書類の作成・収集について、建設業者様を徹底的にサポートしております。

許可の取得、更新、業種追加、または「この工事は許可が必要か?」といったご相談がございましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。適正な事業運営を通じて、皆様の発展に貢献いたします。

ガラス工事は、建設業法上の29業種の一つである専門工事の一つです。

主なポイントは以下の通りです。

1. ガラス工事の定義

 

工作物にガラスを加工して取り付ける工事を指します。

  • 例示:

    • ガラス加工取付工事

    • ガラスフィルム工事

 

2. 許可が必要となる場合

 

請け負うガラス工事1件の請負代金の額が、消費税込みで500万円以上になる場合に、原則としてガラス工事業の建設業許可が必要です。

  • 500万円未満の工事(軽微な建設工事)のみを請け負う場合は、許可は不要です。

  • ただし、元請や取引先からの求めで、500万円未満でも許可を取得することもあります。

 

3. 許可取得の主な要件(一般建設業許可の場合)

 

ガラス工事業の許可を取得するには、以下の要件などを満たす必要があります。

  1. 経営業務の管理責任者等(経管)がいること

    • 建設業の経営経験が5年以上あることなどが必要です。

  2. 営業所ごとに専任の技術者(専技)を配置すること

    • 以下のいずれかの要件を満たす人が必要です。

      • 特定の国家資格者

        • 1級建築施工管理技士

        • 2級建築施工管理技士(仕上げ)

        • 技能検定の1級ガラス施工(2級は合格後一定の実務経験が必要)

        • 登録硝子工事基幹技能者(特定の受講資格を満たしている場合)

      • 指定学科卒業+実務経験

        • 建築学や都市工学に関する学科を卒業後、高校・専門学校の場合は5年以上、大学・高専の場合は3年以上の実務経験があること。

      • 10年以上の実務経験

        • 学歴や資格の有無にかかわらず、ガラス工事の実務経験が10年以上あること。

  3. 欠格要件に該当しないこと

  4. 一定の財産的基礎があること(自己資本が500万円以上など)

  5. 必要な社会保険に加入していること

これらの要件や申請手続きについては、都道府県の建設業許可担当窓口や行政書士に相談されることをお勧めします。

真夏の屋根でビニール足袋が溶ける!?知られざる板金職人の熱い仕事と家族の絆

私の知人に板金工事業を営む方がいます。

朝早くから家を出て現場へ向かう彼を見送る奥様は、毎日早朝にお弁当を作っておられます。現場が日々変わるため、短い昼休憩は車の中でお弁当を食べるそうです。特に夏場は過酷で、灼熱の屋根の上を歩くためのビニール足袋が溶けてしまうほどだとか。天候に左右され、体力的にも精神的にもハードな仕事を、ご家族総出で支えておられる姿には、本当に頭が下がる思いでした。

そんな過酷な環境で働く板金職人。彼らが担う「建築板金」とは、いったいどのような仕事なのでしょうか。

1. 仕事の基本と専門性について

 

「板金」って何をする仕事?

「板金」と聞くと、車のキズやヘコミを直す自動車板金を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし、建設業における板金、すなわち「建築板金」は、建物を金属板で守り、美しく仕上げる専門職です。

建築板金は、主に薄い金属板(銅、ガルバリウム鋼板など)を使って、建物を雨風から守り、美観を整える重要な役割を担っています。具体的には、建物の以下の部分を担当しています。

  • 屋根(金属屋根)

  • 外壁

  • 雨樋(あまどい)

  • 水切り(雨水が壁を伝わないようにする細工)

 

板金職人の「技」が光る瞬間

彼らが金属板に施す加工は、まさに職人技です。

金属板を現場の状況に合わせて切る、曲げる、折り曲げるといった加工を施し、立体的な形状へと変えていきます。使用するのは、専門の鋏(はさみ)折り曲げ機といった道具たち。

この仕事で最も重要な技術の一つが「雨仕舞い(あまじまい)」です。これは、建物の内部に雨水が絶対に入らないようにするための技術の総称です。外見では見えない部分に工夫を凝らし、雨水がスムーズに流れる道筋を作り出します。この「雨仕舞い」の良し悪しが、建物の耐久年数を大きく左右すると言っても過言ではありません。

 

2. やりがい・魅力・将来性について

 

板金職人が感じる「モノづくりの魅力」

彼らは、ただ屋根を貼っているわけではありません。

一枚の平らな金属板に命を吹き込み、立体的な製品へと作り変える創造的な楽しさがあります。自分の手で加工した金属が、建物の重要な一部分となり、何十年も人々の生活を守り続けるという事実は、大きな誇り達成感を与えてくれます。

 

目立たないけれど超重要!「雨から建物を守る」使命

板金工事は、建物の最後の砦です。

適切に施工された金属板は、雨漏りを防ぐだけでなく、建物の断熱性を高め、外部の衝撃から構造材を守ります。つまり、板金職人の仕事は、建物の長寿命化と、そこに住む人々の安全・快適な暮らしに直結しているのです。

 

なぜ板金工の需要はこれからも安定しているのか?

板金工は、高い技術が必要な専門職であり、その需要はこれからも安定しています。

  1. リフォーム・改修工事の増加: 日本の住宅の老朽化に伴い、古い屋根や外壁、雨樋を新しくするリフォーム・改修工事の需要は非常に高まっています。

  2. 災害対策としての重要性: 軽量で耐久性の高い金属屋根(ガルバリウム鋼板など)は、地震や台風対策としても注目されており、その技術を持つ職人は今後ますます必要とされます。

未経験からでも、板金技能士などの資格取得を目指し、見習いとして技術を磨くことで、将来性のあるキャリアを築くことができます。

 

3. 日常や豆知識について

 

職人の「あるある」と苦労

知人のエピソードにもあるように、天候と体力との戦いです。

  • 真夏の屋根の灼熱、真冬の金属の冷たさ

  • 高所作業に伴う常に張り詰めた安全意識。

  • 様々な現場を回るため、車が移動事務所となり、短い昼休憩は車中で済ませる。

こうした過酷な日常があるからこそ、完成時の達成感はひとしおです。

 

屋根材・外壁材の種類と選び方

近年、一般住宅でよく使われる金属板にガルバリウム鋼板があります。軽量で耐久性、耐食性に優れているため、特にリフォームで選ばれることが増えています。プロは、建物の立地や予算に応じて、最適な素材を提案し、その特性を最大限に活かした施工を行います。

 

「雨樋」が詰まる原因と自分でできる簡単お手入れ

雨樋は、屋根から流れる雨水をスムーズに排水するための重要な部品ですが、落ち葉や砂が溜まって詰まりやすい部分でもあります。

詰まりを放置すると、建物の基礎や外壁を傷める原因になります。プロの視点から言えば、定期的な清掃(特に雨樋の中や、排水口付近)が最も重要です。ご自身で手の届く範囲でこまめにチェックするだけでも、建物の寿命を延ばすことにつながります。

このブログを通して、過酷な環境で建物を守る板金職人と、それを支えるご家族の存在に、少しでも関心を持っていただけたら幸いです。

知られざる海の掃除屋:浚渫(しゅんせつ)工事って何?

川や海が汚れてきたな、浅くなったなと感じたことはありませんか?」

私たちが安心して暮らすため、そして豊かな自然を守るために、水面下で黙々と行われている大切な仕事があります。それが「浚渫(しゅんせつ)工事」です。

 

1. 浚渫工事ってどんなお仕事?

 

浚渫(しゅんせつ)とは?

一言でいうと、川底や海底に溜まった土砂やヘドロを取り除く工事のこと。「川や海の"おそうじ"」と考えると分かりやすいでしょう。

川や海は、時間とともに上流から流れてきた土砂や、生活排水などが原因で発生したヘドロがどんどん溜まっていきます。浚渫工事は、こうした堆積物を取り除き、水域の環境を改善するために行われます。

 

なぜ浚渫工事が必要なの?

この「おそうじ」が、実は私たちの安全と環境に直結する重要な役割を果たしています。

  • 1. 洪水対策:命を守る 川底が土砂で浅くなると、大雨が降ったときに川が流せる水の量が減ってしまいます。その結果、水が溢れ出しやすくなり、街に大きな被害をもたらす洪水の危険が高まります。浚渫は、川の深さを元に戻し、災害を防ぐために欠かせません。

  • 2. 船の安全な航行:物流を支える 港や船が通る航路が浅くなると、大きな船が海底に接触したり、座礁したりする危険が高まります。浚渫工事は、船が安全に航行できる深さを確保し、日本の物流を陰で支えています

  • 3. 水質の改善:豊かな自然を取り戻す 川底や海底に溜まったヘドロは、悪臭の原因になったり、水中の酸素を奪ったりします。ヘドロを取り除くことで、悪臭の発生を抑え、魚やさまざまな水生生物が住みやすい、きれいな環境に戻すことができます。

 

2. 具体的な方法:どうやって掘るの?

水中で硬く溜まった土砂やヘドロを掘り出すために、専用の特殊な船や重機が使われます。

  • グラブ浚渫船 巨大なクレーンのようなアームの先に付いた「グラブバケット」という大きなスコップで、海底の土砂を掴んで船に積み込む方法です。硬い土砂にも対応でき、精度高く掘削できます。

  • ポンプ浚渫船 まるで「巨大な掃除機」のように、強力なポンプで土砂を水と一緒に吸い上げ、パイプを通して陸上や別の船まで送る方法です。主に砂や軟らかいヘドロの除去に使われます。

  • バックホウ(水上ショベルカー) 陸上でよく見るショベルカーを、台船に乗せて水上で使えるようにしたものです。比較的浅い場所や、岸に近い場所の工事で活躍します。

 

3. 浚渫工事のその後:掘った土はどうなる?

取り除かれた土砂やヘドロ(浚渫土)は、そのまま捨てられるわけではありません。性質に応じて適切に処理・活用されます。

  • 再利用:質の良い砂や土は、新しい埋め立て地の造成や、建設現場の材料として有効活用されることがあります。

  • 処分:有害物質を含んでいたり、再利用が難しい汚染されたヘドロなどは、環境に影響が出ないよう、専用の処理施設で厳重に処分されます。

 

4. 浚渫工事は、普段私たちの目に触れることの少ない、建設業のなかでも一般的には分かりにくいお仕事かもしれません。

しかし、この地道な作業こそが、私たちの生活の安全(洪水からの防御)を守り、経済活動を支え、そして豊かな自然環境を次世代に引き継ぐために欠かせない、とても大切なお仕事なのです。

建設業許可の舗装工事業について、特徴、類似する業種、専任・営業所技術者の資格について解説します。

舗装工事業の特徴

舗装工事業は、道路や駐車場、運動場などの地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利などを用いて舗装する工事を指します。具体的には、以下のような工事が該当します。

  • アスファルト舗装工事

  • コンクリート舗装工事

  • ブロック舗装工事

  • 路盤築造工事

主な作業は、路盤の整備から始まり、最終的な舗装材の敷設・転圧まで一貫して行います。公共工事だけでなく、商業施設や個人宅の駐車場など、幅広い分野で需要があります。

 

類似する建設業の種類

舗装工事業は、以下の業種と密接に関連しており、同時に許可を取得するケースが多いです。

  • 土木工事業: 道路本体の造成や下水道工事など、舗装工事の前段階となるインフラ整備を行う工事です。舗装工事は土木一式工事の一部として扱われることもあります。

  • とび・土工工事業: 舗装工事の準備段階である掘削工事や地盤改良工事など、基礎的な土木作業を含むため、関連性が高いです。

 

専任技術者(営業所技術者)の資格

舗装工事業の専任技術者(営業所技術者)になるには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

 

1. 国家資格等

  • 一般建設業の許可の場合

    • 1級・2級土木施工管理技士(土木)

    • 1級・2級建設機械施工技士(第1種〜第6種)

    • 技術士(建設部門、農業部門、水産部門、森林部門)

 

2. 学歴と実務経験

以下の指定学科を卒業し、かつ所定の実務経験があること。

  • 指定学科: 土木工学、都市工学、衛生工学、交通工学など

  • 必要な実務経験:

    • 大学・高等専門学校卒業: 3年以上

    • 高等学校・中等教育学校卒業: 5年以上

 

3. 実務経験のみ

 

学歴や資格がない場合でも、舗装工事に関する10年以上の実務経験があれば要件を満たせます。

これらの要件を満たす人が各営業所に常勤でいる必要があります。建設業許可の申請には、これらの要件を証明する書類の提出が求められます。

建設業許可の取得は複雑です。もし「自分の場合はどうなるんだろう?」と不安な点があれば、一度専門家である行政書士に相談してみるのも良いでしょう。一歩踏み出すことが、事業をさらに成長させる第一歩になります。

鉄筋がなぜ必要なのか、その役割を初心者にも分かりやすく解説

能登半島地震では、多くの木造住宅が倒壊・全壊した一方で、鉄筋コンクリート(RC)造の建物は比較的被害が少なかったと報告されています。しかし、被害がなかったわけではなく、旧耐震基準の建物や地盤の変状が激しい場所では、傾斜や転倒、柱のせん断破壊などの被害も確認されています。

 

コンクリートだけでは地震に耐えられない理由

コンクリートは、その材料の特性上、圧縮力には非常に強いですが、引っ張る力や曲げる力には極めて弱いという性質を持っています。

  • 圧縮力に強い: 例えば、コンクリートブロックを両側から押しつぶすような力には、非常に高い強度を発揮します。

  • 引っ張る力・曲げる力に弱い: 一方で、コンクリートを引っ張ったり、梁のように中央部分に重いものを載せて曲げようとしたりすると、簡単にひび割れたり、割れたりしてしまいます。

地震の揺れは、建物を上下左右、あらゆる方向に揺らし、柱や梁に強い引っ張る力や曲げる力を繰り返し加えます。コンクリートだけの建物では、この力に耐えられず、瞬時に破壊されてしまう危険性があります。

このコンクリートの弱点を補うために、鉄筋という鋼材を組み合わせることで、鉄筋コンクリート造の建物は地震に強い構造となります。

建設業許可における鋼構造物工事について、掘り下げて解説します。

鋼構造物工事の定義と他の工事との違い

鋼構造物工事は、形鋼、鋼板などの鋼材を加工または組み立てて、工作物を建設する工事です。具体的には以下のようなものが含まれます。

  • 鉄骨造の建築物: 鉄骨を骨組みとして使用する工場や倉庫、オフィスビルなど。

  • 橋梁: 鋼製の橋。

  • 鉄塔: 送電線や通信用の鉄塔。

  • プラントのタンク: 化学プラントなどで使われる鋼製タンク。

  • 水門、閘門: 河川や運河の水量を調節するための鋼製の門。

  • 広告塔: 巨大な鋼製の広告看板。

他の工事との混同を避けるためのポイント

  • とび・土工・コンクリート工事: とび・土工工事は、足場の組立て、重量物の運搬、くい打ち、土砂の掘削など、多岐にわたりますが、建物の鉄骨を組み立てる工事も含まれます。ただし、鋼構造物工事は「鋼材の加工」や「溶接」を含む、より専門的な範囲を指します。

  • 鉄筋工事: 鉄筋工事は、コンクリートの中に埋め込む鉄筋を加工・組み立てる工事です。一方、鋼構造物工事は、建物の骨組みそのものとなる鉄骨などを組み立てる工事であり、使用する材料や工事の目的が根本的に異なります。

  • 建築一式工事: 建築一式工事は、複数の専門工事を組み合わせて、一つの建物や工作物を完成させる工事です。鉄骨工事やコンクリート工事など、様々な専門工事を含みますが、鋼構造物工事は、あくまでその専門工事の一つです。

鋼構造物工事の許可取得要件

建設業許可を取得するには、主に「経営業務の管理責任者」「専任技術者」の2つの要件を満たす必要があります。

 

1. 経営業務の管理責任者(通称:経管)

法人の役員、または個人事業主として、建設業の経営経験がある人が求められます。 以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 5年以上の経営経験: 許可を受けようとする建設業(この場合は鋼構造物工事)に関して、役員や個人事業主として5年以上の経営経験があること。

  • 6年以上の経営補佐経験: 許可を受けようとする建設業に関して、役員に次ぐ地位で6年以上経営を補佐した経験があること。

鋼構造物工事における専任技術者(営業所技術者)の要件

営業所技術者」という呼称は、2024年12月の建設業法改正に伴い、その役割をより明確にするために、国土交通省や行政庁が実務上の通称として用いるようになったものです。

この名称変更の背景には、主に以下の2つの目的があります。

  1. 役割の明確化:

    • 従来の「専任技術者」という言葉では、「工事現場に専ら張り付く技術者」と混同されがちでした。

    • 「営業所技術者」とすることで、「営業所に常勤し、技術的な管理を行う者」という役割がより分かりやすくなりました。

  2. 現場技術者との兼任の特例:

    • 今回の改正により、一定の要件(情報通信機器の活用など)を満たせば、営業所技術者が、遠隔地ではない専任を要する工事現場の主任技術者や監理技術者を兼任できるようになりました。

    • これにより、人材不足の解消や生産性の向上を図る狙いがあります。

「建設業許可の要件である『専任技術者』は、2024年の建設業法改正で、通称『営業所技術者』と呼ばれるようになりました。法律上の名称は変わりませんが、役割がより明確になり、一部で現場の技術者との兼任も可能になっています。」

鋼構造物工事の許可を取得する場合、その営業所に常勤する専任技術者は、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

 

1. 国家資格の保有者 ある一定の資格保有者

 

2. 実務経験者

  • 指定学科卒業の場合

    • 大学・高等専門学校卒業:指定学科(建築学、土木工学など)を卒業後、鋼構造物工事の実務経験が3年以上

    • 高校卒業:指定学科を卒業後、鋼構造物工事の実務経験が5年以上

  • その他

    • 学歴を問わず、鋼構造物工事の実務経験が10年以上あること。

これらの要件を満たすことを証明するためには、資格証、卒業証明書、そして実務経験を証明する請負契約書や請求書など、多くの書類を準備する必要があります。特に実務経験は、期間や内容が厳密に審査されるため、証明書類の準備をしっかり行うことが大切です。「許可取得は大変ですが、計画的に準備を進めれば必ず道は開けます。お困りの際は、お気軽にご相談ください。」

 

建設業許可専門の行政書士として、日々多くの職人さんと関わっています。今日は、特にタイル・レンガ・ブロック工事業の魅力についてお話ししたいと思います。

この仕事は、単に建物を造るだけでなく、「家を彩り、住まいの印象を決める」大切な役割を担っています。

 

塀や壁面に光る職人のこだわり

タイル・レンガ・ブロック工事業者が手掛けるのは、塀、門柱、アプローチ、花壇、そして建物の壁や床など、私たちの暮らしを彩るさまざまな場所です。

お客様の理想を形にするため、職人さんたちは技術だけでなく、センスや美的感覚を最大限に発揮しています。

  • タイルの選び方:色や質感、形一つで、部屋の雰囲気は大きく変わります。

  • レンガの積み方:並べ方次第で、ガーデンが可愛らしくも、重厚にもなります。

  • 素材の組み合わせ:異なる素材をどう組み合わせるかで、個性が生まれます。

 

注文者のこだわりを実現するプロの技

以前、知人が「海外から取り寄せたフランス風のタイルを壁に貼りたい」というお話をしていたことがあります。海外のタイルは色やデザインが独特で、空間をまるで海外のカフェのように変える力があります。

しかし、日本の規格とはサイズが違ったり、色ムラがあったりすることも。それを完璧に美しく仕上げるには、熟練の技術が不可欠です。職人さんたちは、そうした難しさにもひるまず、お客様のこだわりを完璧に実現してくれる、まさに「注文者の夢を形にするプロフェッショナル」なのです。

 

許可申請のプロから見た「職人の価値」

私自身、建設業許可を専門とする行政書士として、お客様の事業をサポートする中で、常に職人さんの仕事に感動させられます。

許可申請の複雑な書類を一つずつ丁寧に揃えながら、彼らの技術がどれほど価値あるものかを改めて実感します。私の仕事は、彼らが本業に集中できるよう、行政手続きという側面から支えることです。

このブログを通して、一人でも多くの方に、タイル・レンガ・ブロック工事業の奥深い魅力と、そこで働く職人さんたちの素晴らしい技術が伝われば嬉しいです。

この制度は、経営者の交代時でも事業をスムーズに継続させるための大切な手続きです。特に、新規で許可を取り直す手間や費用を省けるのが大きなメリットです

たとえば、富山県知事許可を新規で取得する場合、9万円の手数料がかかります。しかし、この「承継」「相続」の手続きを利用すれば、その手数料は不要となります。

もし個人事業主が亡くなった際にこの手続きを怠ると、せっかくの許可が失効してしまい、事業の継続が難しくなります。

 

「承継」と「相続」の基本を押さえよう

 

承継(建設業法第17条の2)

法人の合併、会社分割、事業譲渡などによって、許可を持つ会社の地位を別の会社が引き継ぐ場合の手続きです。

承継の効力発生日

  • あらかじめ認可を受けた場合、その会社の許可番号等を引き継げる時期は譲渡、合併、分割は契約した日ですが、注意しなければならないのが、新設合併の場合は、新たな会社の登記日に承継となります。ですので空白期間に注意が必要になります。

 

相続(建設業法第17条の3)

個人事業主が亡くなった際に、その相続人が事業を引き継ぐ場合の手続きです。

 

 最重要ポイント:たった「30日」の期限

相続の場合、被相続人(亡くなった方)の死亡から30日以内認可の申請手続きを完了させなければなりません。この短い期間内に手続きが間に合わないと、許可は失効してしまいます。

許可が失効すれば、事業を継続するためには新規で許可を再申請するしかなく、9万円の手数料や膨大な時間が必要となります。この30日という期限を絶対に守ることが、事業を守る上で極めて重要です。

 

事前の準備と専門家への相談を

特に相続の場合、30日という短い期間で膨大な手続きをこなすのは困難です。万が一の事態に備え、日頃から必要書類や手続きの流れを確認しておきましょう。不安なことや不明な点がある場合は、行政書士などの専門家へ早めに相談することをおすすめします。

お気軽にご相談ください。

『管工事』と聞いて、どんな仕事を想像しますか?『エアコンの取り付けかな?』そう思われた方も多いかもしれません。

最近よくニュースで、水道管の老朽化による道路陥没事故が報じられています。この水道管の復旧工事にも、まさに管工事が活躍しています。実は、管工事は身近なエアコン設置工事から、都市のライフラインを支える大規模なインフラ工事まで、非常に幅広い分野で私たちの生活を支えている、建設業の「隠れた主役」なのです。

本記事では、そんな管工事の奥深さと重要性、そして私たちの暮らしに欠かせない役割について解説します。

 

管工事の幅広い分野:暮らしと産業を支えるパイプライン

「管工事」の定義には、給水・排水、空調、ガス、消火など、様々な管を設置したり、修理したりする工事全般が含まれています。ご家庭のリビングに取り付けるエアコン設置工事のような比較的小規模で、屋内での作業が中心となるものから、都市のライフラインを支える大規模な工事まで、その守備範囲は多岐にわたります。

エアコン設置以外にも、以下のような重要な工事を手掛けています。

  • 給排水・衛生設備工事: 蛇口をひねれば水が出る、汚れた水が流れる。当たり前の快適さを支える、マンションや戸建て住宅の給排水管の設置、トイレ・お風呂・キッチンの配管など「水」に関する工事です。

  • 空調・換気設備工事: 快適な室温だけでなく、新鮮な空気を取り入れ、汚れた空気を排出することで、健康的な空間を創造します。オフィスビルや商業施設のセントラル空調、工場や病院の換気システムなどがこれにあたります。

  • ガス設備工事: 調理や給湯、暖房など、私たちの生活に欠かせないエネルギー源を安全に届けます。ガス管の引き込みや、厨房機器・給湯器への配管などが含まれます。

  • 消火設備工事: 万が一の火災から命と財産を守るため、スプリンクラー設備の設置や屋内消火栓の配管など、建物の安全性を高める重要な役割を担います。

  • 産業用設備配管工事: 工場の生産ラインにおける蒸気・冷却水・油圧配管、化学プラントのプロセス配管など、日本のモノづくりを根底から支える専門性の高い仕事です。

  • その他、医療ガス設備やボイラー設備など、多岐にわたります。

 

危険と隣り合わせのインフラ工事

特に、近年問題視されている水道管の老朽化対策や更新工事といったインフラ工事は、管工事の中でも非常に重要な分野です。高度経済成長期に整備された水道管の多くが耐用年数を迎え、漏水事故の増加や水の供給停止のリスクが高まっています。これらの大規模な工事には、以下のような様々な危険が伴います。

  1. 掘削工事による危険

    • 埋設物の損傷: 地中のガス管、電線、通信ケーブルなどを誤って損傷させると、ガス漏れ、停電、通信障害などの重大事故につながります。

    • 崩落・落盤: 深い溝を掘るため、土砂の崩落や落盤による作業員の巻き込まれ事故のリスクがあります。

    • 酸欠: 掘削した穴の底やマンホール内など閉鎖空間では、酸欠の危険性があります。

  2. 重機作業による危険

    • 接触事故: 資材運搬や掘削作業時の重機と作業員の接触事故リスクがあります。

    • 転倒・転落: 不安定な場所での作業中、重機が転倒したり、吊り上げた資材が落下したりする危険性があります。

  3. 高圧水や化学物質による危険

    • 高圧水の噴出: 水道管には高い水圧がかかっているため、破損箇所から高圧水が噴出し、負傷する可能性があります。

    • 化学物質: 特殊な接着剤や洗浄剤の使用時に、皮膚や呼吸器への影響がある化学物質を取り扱う場合があります。

  4. 交通上の危険

    • 交通事故: 幹線道路などでの工事では、通行車両との接触事故のリスクがあります。

    • 転落事故: 夜間工事や視界の悪い場所では、作業員や通行人が掘削箇所に転落する危険性があります。

  5. その他の危険

    • 騒音・振動: 近隣住民への影響だけでなく、作業員の集中力低下や疲労の原因となります。

    • 天候による影響: 大雨による地盤の軟弱化、強風による資材の飛散、酷暑による熱中症など、天候が作業の危険性を高めることがあります。

これらの危険を回避するためには、徹底した安全管理、作業員の教育、適切な重機や防護具の使用、事前の周到な調査が非常に重要になります。

 

建設業の隠れた主役、管工事が未来を創る

管工事は、ご家庭の身近な設備から都市の巨大インフラまで、私たちの快適で安全な生活を根底から支える、まさに「建設業の隠れた主役」です。危険と隣り合わせの現場でも、高い専門知識と技術力、そして徹底した安全管理によって、日々私たちの暮らしを守り、未来のより良い社会を創り出しています。

行政書士は、法律とお客様の架け橋となる専門家です。事業の発展、そして皆様の安心のために、法的な課題解決を全力でお手伝いさせていただきます。

「独立して一人親方になったけど、面倒な手続きは避けたい」「大きな仕事も請け負いたいけど、許可って何から始めればいいの?」

電気工事業を営む皆さん、このようなお悩みはありませんか? 電気工事の仕事をする上では、技術力だけでなく、法律で定められた手続きを適切に行うことが不可欠です。しかし、「登録」や「許可」の違い、そしてその背後にある『意外な関係』は非常に複雑で、多くの方が混乱してしまいます。

このブログでは、その複雑な手続きを分かりやすく解説し、皆さんが安心して事業を拡大できるようサポートします。

 

1. 電気工事業の「登録」と「届出」は何が違う?

 

まず、最も基本的な「登録」と「届出」の違いから見ていきましょう。

  • 登録電気工事業者: 建設業の許可を持っていない事業者が、電気工事業を営むために必要な手続きです。

  • みなし登録電気工事業者(届出): すでに建設業の許可を持っている事業者が、電気工事業を営む際に必要な手続きです。

請負金額が500万円未満の「軽微な電気工事」のみを行う場合でも、電気工事業法に基づき、この登録または届出は必ず行う必要があります。これを怠ると、法律違反となり、罰則の対象となることがあります。

 

2. 「500万円の壁」!建設業許可はなぜ必要?

では、なぜ「建設業許可」が必要になるのでしょうか? 請負金額が500万円以上の工事(建築一式工事の場合は1,500万円以上)を請け負う場合、「建設業許可」が必要になります。

電気工事業は、建設業法で定められた29の建設業種の一つです。そのため、大きな工事を受注するためには、電気工事業の登録とは別に、建設業許可を取得しなければなりません。

建設業許可を取得することは、単に法律を遵守するだけでなく、社会的信用が向上し、より大規模な工事の受注機会を得るための重要なステップとなります。

 

3. 建設業許可の3つの要件と「実務経験10年」の落とし穴

建設業許可には、大きく分けて以下の3つの要件があります。

  • 経営業務の管理責任者(経管): 経営経験が一定期間ある人物が必要です。

  • 営業所技術者: 資格や実務経験を持った技術者が必要です。

  • 財産的基礎: 資本金や自己資本が一定額以上あることなど、財産要件を満たす必要があります。

特に注意が必要なのが、営業所技術者の「実務経験10年」の要件です。

第二種電気工事士の場合は免状交付後の実務経験3年以上が求められます。

他の建設業種では、実務経験が10年以上あれば営業所技術者になれるのが一般的ですが、電気工事業の場合は事情が異なります。電気工事士法により、電気工事は国家資格がないと従事できないため、実務経験として認められるのは、電気工事士の免状交付後の期間に限られます。

さらに、もう一つ重要な点があります。たとえ実務経験が10年以上あったとしても、その期間に勤務していた会社が電気工事業として登録していなければその経験は公的に証明することが極めて困難になります。法律上の義務を怠っている会社の業務を、行政庁が適正な実務経験として認めることはまずないからです。

 

後悔しないために、今すぐ専門家へご相談を

このように、電気工事業の許可や登録は非常に複雑で、要件や証明方法を誤ると、せっかく積んだ経験が認められないという事態になりかねません。

煩雑な書類作成や手続きは、専門家である行政書士に任せることで、皆さんは安心して本業に専念できます。ご自身の状況に合わせた最適な手続き方法を知るためにも、まずは一度お気軽にご相談ください。

建設業許可における屋根工事の定義や、他の業種との違いは?

1. 屋根工事とは?その工事内容と具体例

  • 屋根工事の定義:

    • 瓦、スレート、金属板などを使って、建物の屋根をふく工事を指します。

    • 雨漏りを防ぎ、建物を風雨から守る、非常に重要な工事です。

  • 工事の具体例:

    • 瓦のふき替え、スレート屋根の設置

    • 金属板による屋根ふき

    • 屋根断熱工事(屋根ふき工事と一体として行うもの)

    • 屋根の防水工事(屋根ふき工事と一体として行うもの)

2. 屋根工事と「板金工事」の相違点

屋根工事と板金工事は、どちらも金属板を扱うため混同されやすいですが、建設業許可上は明確に区別されています。

  • 屋根工事:

    • 主に建物の屋根をふくことを目的とした金属板工事です。

    • : ガルバリウム鋼板などの金属板を屋根材として使用する工事。

  • 板金工事:

    • 主に建物の内装や外装、換気設備など、広範囲にわたる金属板の加工・取付けを専門とする工事です。

    • : 雨どいの設置、金属サイディング(外壁)の取付け、ダクト工事。

相違点: 屋根全体をふく工事は「屋根工事」に分類されますが、雨どいの取付けなど、屋根に付随する金属板工事は「板金工事」に分類されることが多いです。

3. 建設業許可と屋根工事

  • 屋根工事の許可:

    • 屋根工事の専門的な知識と技術を証明するため、「1級瓦葺技能士」「1級建築施工管理技士」などの資格が、技術者要件として認められます。​

屋根工事は、建物の安全と快適な暮らしを守る上で欠かせない工事です。

建設業許可を検討する際には、ご自身の事業内容が「屋根工事」なのか、それとも「板金工事」なのか、扱う材料や工事内容を正確に把握することが重要です。

ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。

  • 石工事業と聞いて「墓石屋さん」をイメージする人が多いですが、、実際にはそれだけでなく、建築物や土木構造物など、多岐にわたる石材工事を担っています。

1. 石工事業の工事内容と具体例

  • 墓石工事:

    • 墓石の加工、設置、補修など、墓地での一連の工事を解説します。

  • 石材加工・据付工事:

    • 建築物の内外装、床、壁、柱に石材を加工して取り付ける工事です。

    • : ビルや商業施設のロビーの床や壁に大理石を張る工事、ホテルのカウンターに御影石を据え付ける工事。

  • 石組・石張り工事:

    • 護岸や道路の法面などに、石を積み上げたり、貼り付けたりする工事です。

    • : 川の氾濫を防ぐための護岸工事、公園や庭園の景観を整えるための石組工事。

  • 石塀工事:

    • 石材を用いた塀の設置・補修工事も石工事業に該当します。

    • : 敷地の境界に御影石や自然石を積み上げて作る塀の工事。

  • 石材撤去工事:

    • 古い石垣や建物の石材を撤去する工事です。

2. 石工事業と他の業種との相違点

  • とび・土工・コンクリート工事との違い:

    • 石工事業は、石材を「加工」し「据え付ける」専門工事です。

    • とび・土工・コンクリート工事は、地盤を固めたり、基礎となる部分のコンクリートを打設したりする工事です。

    • : 大きな石材を据え付ける際、基礎工事は「とび・土工」に該当し、石材を正確に設置する作業は「石工事業」となります。

  • タイル・れんが・ブロック工事との違い:

    • 石工事業は、天然石材や加工された石材を扱います。

    • タイル・れんが・ブロック工事は、人工的に製造されたタイル、レンガ、コンクリートブロックを扱います。

3. 建設業許可と石工事業

  • 墓石工事と建設業許可:

    • 一般的に、墓石の据え付け工事も建設業許可の「石工事業」に該当します。

    • しかし、建設業許可が不要な500万円未満(消費税込み)の軽微な工事のみを行う場合は、許可の必要はありません。

 

  • 石工事業は、墓石だけでなく、私たちの身の回りにある多くの建造物で重要な役割を果たしています。

  • 建設業許可を検討する際には、事業内容を正確に把握し、適切な業種で許可を取得することが大切です。

  • ご自身の事業がどの業種に該当するかご不明な場合は、お気軽にご相談ください。

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