建設業許可専門の行政書士として、日々多くの職人さんと関わっています。今日は、特にタイル・レンガ・ブロック工事業の魅力についてお話ししたいと思います。

この仕事は、単に建物を造るだけでなく、「家を彩り、住まいの印象を決める」大切な役割を担っています。

 

塀や壁面に光る職人のこだわり

タイル・レンガ・ブロック工事業者が手掛けるのは、塀、門柱、アプローチ、花壇、そして建物の壁や床など、私たちの暮らしを彩るさまざまな場所です。

お客様の理想を形にするため、職人さんたちは技術だけでなく、センスや美的感覚を最大限に発揮しています。

  • タイルの選び方:色や質感、形一つで、部屋の雰囲気は大きく変わります。

  • レンガの積み方:並べ方次第で、ガーデンが可愛らしくも、重厚にもなります。

  • 素材の組み合わせ:異なる素材をどう組み合わせるかで、個性が生まれます。

 

注文者のこだわりを実現するプロの技

以前、知人が「海外から取り寄せたフランス風のタイルを壁に貼りたい」というお話をしていたことがあります。海外のタイルは色やデザインが独特で、空間をまるで海外のカフェのように変える力があります。

しかし、日本の規格とはサイズが違ったり、色ムラがあったりすることも。それを完璧に美しく仕上げるには、熟練の技術が不可欠です。職人さんたちは、そうした難しさにもひるまず、お客様のこだわりを完璧に実現してくれる、まさに「注文者の夢を形にするプロフェッショナル」なのです。

 

許可申請のプロから見た「職人の価値」

私自身、建設業許可を専門とする行政書士として、お客様の事業をサポートする中で、常に職人さんの仕事に感動させられます。

許可申請の複雑な書類を一つずつ丁寧に揃えながら、彼らの技術がどれほど価値あるものかを改めて実感します。私の仕事は、彼らが本業に集中できるよう、行政手続きという側面から支えることです。

このブログを通して、一人でも多くの方に、タイル・レンガ・ブロック工事業の奥深い魅力と、そこで働く職人さんたちの素晴らしい技術が伝われば嬉しいです。

この制度は、経営者の交代時でも事業をスムーズに継続させるための大切な手続きです。特に、新規で許可を取り直す手間や費用を省けるのが大きなメリットです

たとえば、富山県知事許可を新規で取得する場合、9万円の手数料がかかります。しかし、この「承継」「相続」の手続きを利用すれば、その手数料は不要となります。

もし個人事業主が亡くなった際にこの手続きを怠ると、せっかくの許可が失効してしまい、事業の継続が難しくなります。

 

「承継」と「相続」の基本を押さえよう

 

承継(建設業法第17条の2)

法人の合併、会社分割、事業譲渡などによって、許可を持つ会社の地位を別の会社が引き継ぐ場合の手続きです。

承継の効力発生日

  • あらかじめ認可を受けた場合、その会社の許可番号等を引き継げる時期は譲渡、合併、分割は契約した日ですが、注意しなければならないのが、新設合併の場合は、新たな会社の登記日に承継となります。ですので空白期間に注意が必要になります。

 

相続(建設業法第17条の3)

個人事業主が亡くなった際に、その相続人が事業を引き継ぐ場合の手続きです。

 

 最重要ポイント:たった「30日」の期限

相続の場合、被相続人(亡くなった方)の死亡から30日以内認可の申請手続きを完了させなければなりません。この短い期間内に手続きが間に合わないと、許可は失効してしまいます。

許可が失効すれば、事業を継続するためには新規で許可を再申請するしかなく、9万円の手数料や膨大な時間が必要となります。この30日という期限を絶対に守ることが、事業を守る上で極めて重要です。

 

事前の準備と専門家への相談を

特に相続の場合、30日という短い期間で膨大な手続きをこなすのは困難です。万が一の事態に備え、日頃から必要書類や手続きの流れを確認しておきましょう。不安なことや不明な点がある場合は、行政書士などの専門家へ早めに相談することをおすすめします。

お気軽にご相談ください。

『管工事』と聞いて、どんな仕事を想像しますか?『エアコンの取り付けかな?』そう思われた方も多いかもしれません。

最近よくニュースで、水道管の老朽化による道路陥没事故が報じられています。この水道管の復旧工事にも、まさに管工事が活躍しています。実は、管工事は身近なエアコン設置工事から、都市のライフラインを支える大規模なインフラ工事まで、非常に幅広い分野で私たちの生活を支えている、建設業の「隠れた主役」なのです。

本記事では、そんな管工事の奥深さと重要性、そして私たちの暮らしに欠かせない役割について解説します。

 

管工事の幅広い分野:暮らしと産業を支えるパイプライン

「管工事」の定義には、給水・排水、空調、ガス、消火など、様々な管を設置したり、修理したりする工事全般が含まれています。ご家庭のリビングに取り付けるエアコン設置工事のような比較的小規模で、屋内での作業が中心となるものから、都市のライフラインを支える大規模な工事まで、その守備範囲は多岐にわたります。

エアコン設置以外にも、以下のような重要な工事を手掛けています。

  • 給排水・衛生設備工事: 蛇口をひねれば水が出る、汚れた水が流れる。当たり前の快適さを支える、マンションや戸建て住宅の給排水管の設置、トイレ・お風呂・キッチンの配管など「水」に関する工事です。

  • 空調・換気設備工事: 快適な室温だけでなく、新鮮な空気を取り入れ、汚れた空気を排出することで、健康的な空間を創造します。オフィスビルや商業施設のセントラル空調、工場や病院の換気システムなどがこれにあたります。

  • ガス設備工事: 調理や給湯、暖房など、私たちの生活に欠かせないエネルギー源を安全に届けます。ガス管の引き込みや、厨房機器・給湯器への配管などが含まれます。

  • 消火設備工事: 万が一の火災から命と財産を守るため、スプリンクラー設備の設置や屋内消火栓の配管など、建物の安全性を高める重要な役割を担います。

  • 産業用設備配管工事: 工場の生産ラインにおける蒸気・冷却水・油圧配管、化学プラントのプロセス配管など、日本のモノづくりを根底から支える専門性の高い仕事です。

  • その他、医療ガス設備やボイラー設備など、多岐にわたります。

 

危険と隣り合わせのインフラ工事

特に、近年問題視されている水道管の老朽化対策や更新工事といったインフラ工事は、管工事の中でも非常に重要な分野です。高度経済成長期に整備された水道管の多くが耐用年数を迎え、漏水事故の増加や水の供給停止のリスクが高まっています。これらの大規模な工事には、以下のような様々な危険が伴います。

  1. 掘削工事による危険

    • 埋設物の損傷: 地中のガス管、電線、通信ケーブルなどを誤って損傷させると、ガス漏れ、停電、通信障害などの重大事故につながります。

    • 崩落・落盤: 深い溝を掘るため、土砂の崩落や落盤による作業員の巻き込まれ事故のリスクがあります。

    • 酸欠: 掘削した穴の底やマンホール内など閉鎖空間では、酸欠の危険性があります。

  2. 重機作業による危険

    • 接触事故: 資材運搬や掘削作業時の重機と作業員の接触事故リスクがあります。

    • 転倒・転落: 不安定な場所での作業中、重機が転倒したり、吊り上げた資材が落下したりする危険性があります。

  3. 高圧水や化学物質による危険

    • 高圧水の噴出: 水道管には高い水圧がかかっているため、破損箇所から高圧水が噴出し、負傷する可能性があります。

    • 化学物質: 特殊な接着剤や洗浄剤の使用時に、皮膚や呼吸器への影響がある化学物質を取り扱う場合があります。

  4. 交通上の危険

    • 交通事故: 幹線道路などでの工事では、通行車両との接触事故のリスクがあります。

    • 転落事故: 夜間工事や視界の悪い場所では、作業員や通行人が掘削箇所に転落する危険性があります。

  5. その他の危険

    • 騒音・振動: 近隣住民への影響だけでなく、作業員の集中力低下や疲労の原因となります。

    • 天候による影響: 大雨による地盤の軟弱化、強風による資材の飛散、酷暑による熱中症など、天候が作業の危険性を高めることがあります。

これらの危険を回避するためには、徹底した安全管理、作業員の教育、適切な重機や防護具の使用、事前の周到な調査が非常に重要になります。

 

建設業の隠れた主役、管工事が未来を創る

管工事は、ご家庭の身近な設備から都市の巨大インフラまで、私たちの快適で安全な生活を根底から支える、まさに「建設業の隠れた主役」です。危険と隣り合わせの現場でも、高い専門知識と技術力、そして徹底した安全管理によって、日々私たちの暮らしを守り、未来のより良い社会を創り出しています。

行政書士は、法律とお客様の架け橋となる専門家です。事業の発展、そして皆様の安心のために、法的な課題解決を全力でお手伝いさせていただきます。

「独立して一人親方になったけど、面倒な手続きは避けたい」「大きな仕事も請け負いたいけど、許可って何から始めればいいの?」

電気工事業を営む皆さん、このようなお悩みはありませんか? 電気工事の仕事をする上では、技術力だけでなく、法律で定められた手続きを適切に行うことが不可欠です。しかし、「登録」や「許可」の違い、そしてその背後にある『意外な関係』は非常に複雑で、多くの方が混乱してしまいます。

このブログでは、その複雑な手続きを分かりやすく解説し、皆さんが安心して事業を拡大できるようサポートします。

 

1. 電気工事業の「登録」と「届出」は何が違う?

 

まず、最も基本的な「登録」と「届出」の違いから見ていきましょう。

  • 登録電気工事業者: 建設業の許可を持っていない事業者が、電気工事業を営むために必要な手続きです。

  • みなし登録電気工事業者(届出): すでに建設業の許可を持っている事業者が、電気工事業を営む際に必要な手続きです。

請負金額が500万円未満の「軽微な電気工事」のみを行う場合でも、電気工事業法に基づき、この登録または届出は必ず行う必要があります。これを怠ると、法律違反となり、罰則の対象となることがあります。

 

2. 「500万円の壁」!建設業許可はなぜ必要?

では、なぜ「建設業許可」が必要になるのでしょうか? 請負金額が500万円以上の工事(建築一式工事の場合は1,500万円以上)を請け負う場合、「建設業許可」が必要になります。

電気工事業は、建設業法で定められた29の建設業種の一つです。そのため、大きな工事を受注するためには、電気工事業の登録とは別に、建設業許可を取得しなければなりません。

建設業許可を取得することは、単に法律を遵守するだけでなく、社会的信用が向上し、より大規模な工事の受注機会を得るための重要なステップとなります。

 

3. 建設業許可の3つの要件と「実務経験10年」の落とし穴

建設業許可には、大きく分けて以下の3つの要件があります。

  • 経営業務の管理責任者(経管): 経営経験が一定期間ある人物が必要です。

  • 営業所技術者: 資格や実務経験を持った技術者が必要です。

  • 財産的基礎: 資本金や自己資本が一定額以上あることなど、財産要件を満たす必要があります。

特に注意が必要なのが、営業所技術者の「実務経験10年」の要件です。

第二種電気工事士の場合は免状交付後の実務経験3年以上が求められます。

他の建設業種では、実務経験が10年以上あれば営業所技術者になれるのが一般的ですが、電気工事業の場合は事情が異なります。電気工事士法により、電気工事は国家資格がないと従事できないため、実務経験として認められるのは、電気工事士の免状交付後の期間に限られます。

さらに、もう一つ重要な点があります。たとえ実務経験が10年以上あったとしても、その期間に勤務していた会社が電気工事業として登録していなければその経験は公的に証明することが極めて困難になります。法律上の義務を怠っている会社の業務を、行政庁が適正な実務経験として認めることはまずないからです。

 

後悔しないために、今すぐ専門家へご相談を

このように、電気工事業の許可や登録は非常に複雑で、要件や証明方法を誤ると、せっかく積んだ経験が認められないという事態になりかねません。

煩雑な書類作成や手続きは、専門家である行政書士に任せることで、皆さんは安心して本業に専念できます。ご自身の状況に合わせた最適な手続き方法を知るためにも、まずは一度お気軽にご相談ください。

建設業許可における屋根工事の定義や、他の業種との違いは?

1. 屋根工事とは?その工事内容と具体例

  • 屋根工事の定義:

    • 瓦、スレート、金属板などを使って、建物の屋根をふく工事を指します。

    • 雨漏りを防ぎ、建物を風雨から守る、非常に重要な工事です。

  • 工事の具体例:

    • 瓦のふき替え、スレート屋根の設置

    • 金属板による屋根ふき

    • 屋根断熱工事(屋根ふき工事と一体として行うもの)

    • 屋根の防水工事(屋根ふき工事と一体として行うもの)

2. 屋根工事と「板金工事」の相違点

屋根工事と板金工事は、どちらも金属板を扱うため混同されやすいですが、建設業許可上は明確に区別されています。

  • 屋根工事:

    • 主に建物の屋根をふくことを目的とした金属板工事です。

    • : ガルバリウム鋼板などの金属板を屋根材として使用する工事。

  • 板金工事:

    • 主に建物の内装や外装、換気設備など、広範囲にわたる金属板の加工・取付けを専門とする工事です。

    • : 雨どいの設置、金属サイディング(外壁)の取付け、ダクト工事。

相違点: 屋根全体をふく工事は「屋根工事」に分類されますが、雨どいの取付けなど、屋根に付随する金属板工事は「板金工事」に分類されることが多いです。

3. 建設業許可と屋根工事

  • 屋根工事の許可:

    • 屋根工事の専門的な知識と技術を証明するため、「1級瓦葺技能士」「1級建築施工管理技士」などの資格が、技術者要件として認められます。​

屋根工事は、建物の安全と快適な暮らしを守る上で欠かせない工事です。

建設業許可を検討する際には、ご自身の事業内容が「屋根工事」なのか、それとも「板金工事」なのか、扱う材料や工事内容を正確に把握することが重要です。

ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。

  • 石工事業と聞いて「墓石屋さん」をイメージする人が多いですが、、実際にはそれだけでなく、建築物や土木構造物など、多岐にわたる石材工事を担っています。

1. 石工事業の工事内容と具体例

  • 墓石工事:

    • 墓石の加工、設置、補修など、墓地での一連の工事を解説します。

  • 石材加工・据付工事:

    • 建築物の内外装、床、壁、柱に石材を加工して取り付ける工事です。

    • : ビルや商業施設のロビーの床や壁に大理石を張る工事、ホテルのカウンターに御影石を据え付ける工事。

  • 石組・石張り工事:

    • 護岸や道路の法面などに、石を積み上げたり、貼り付けたりする工事です。

    • : 川の氾濫を防ぐための護岸工事、公園や庭園の景観を整えるための石組工事。

  • 石塀工事:

    • 石材を用いた塀の設置・補修工事も石工事業に該当します。

    • : 敷地の境界に御影石や自然石を積み上げて作る塀の工事。

  • 石材撤去工事:

    • 古い石垣や建物の石材を撤去する工事です。

2. 石工事業と他の業種との相違点

  • とび・土工・コンクリート工事との違い:

    • 石工事業は、石材を「加工」し「据え付ける」専門工事です。

    • とび・土工・コンクリート工事は、地盤を固めたり、基礎となる部分のコンクリートを打設したりする工事です。

    • : 大きな石材を据え付ける際、基礎工事は「とび・土工」に該当し、石材を正確に設置する作業は「石工事業」となります。

  • タイル・れんが・ブロック工事との違い:

    • 石工事業は、天然石材や加工された石材を扱います。

    • タイル・れんが・ブロック工事は、人工的に製造されたタイル、レンガ、コンクリートブロックを扱います。

3. 建設業許可と石工事業

  • 墓石工事と建設業許可:

    • 一般的に、墓石の据え付け工事も建設業許可の「石工事業」に該当します。

    • しかし、建設業許可が不要な500万円未満(消費税込み)の軽微な工事のみを行う場合は、許可の必要はありません。

 

  • 石工事業は、墓石だけでなく、私たちの身の回りにある多くの建造物で重要な役割を果たしています。

  • 建設業許可を検討する際には、事業内容を正確に把握し、適切な業種で許可を取得することが大切です。

  • ご自身の事業がどの業種に該当するかご不明な場合は、お気軽にご相談ください。

お気軽にご相談ください

とび・土工・コンクリート工事は、建設工事の基礎となる部分を担う【縁の下の力持ち】です。

1. とび・土工・コンクリート工事とは?

営業所技術者の要件を満たす国家資格の代表選手は2級土木管理施行技士(土木)です。

  • 「とび工事」: 足場や仮囲いの設置、解体、重量物の運搬・据付など、高所での作業や重量物の取り扱いを専門とする工事です。建物の安全な施工環境を整える「縁の下の力持ち」です。

    • : 新しいビルを建てる際の工事用足場を組む作業。

  • 「土工工事」: 土地の掘削や盛土、地盤改良など、建物を建てるための基礎となる部分の工事です。

    • : ビルの地下部分を作るための土砂を掘削する作業、軟弱な地盤を固める作業。

  • 「コンクリート工事」: 既成のコンクリート製品の設置や、コンクリートを流し込む作業(打設)などを行います。ただし、コンクリートを塗り固めて仕上げる作業は「左官工事」となります。

    • : 建物の基礎部分にコンクリートを流し込む作業、道路の側溝にプレキャストコンクリートを設置する作業。

2. 他の業種との特別な相違点

この3つの工事は、建設工事の初期段階で行われることが多く、他の専門工事と明確な違いがあります。

  • 他の業種は「建物を造る」のに対し、とび・土工・コンクリート工事は「建物を造る準備をする」

    • 左官工事や内装仕上工事: 建物が完成した後の「仕上げ」を担います。

    • 電気工事や管工事: 建物の中に設備を組み込む「インフラ」を担います。

    • とび・土工・コンクリート工事: これらの工事が始まる前に、安全な足場を組み、建物の土台となる地盤を固め、コンクリートで基礎を作るなど、「下準備」を担う専門工事です。

3. 複雑なケース:とび・土工とコンクリート工事の関係

特に、コンクリート打設は「とび・土工」に含まれますが、コンクリートを固めるための型枠の組み立ては「型枠大工」として「大工工事」に分類されます。

この区別が、建設業許可申請で混乱を招くことがあります。

  • とび・土工・コンクリート工事:

    • コンクリートを流し込む作業(打設)。

  • 大工工事:

    • コンクリートを流し込むための型枠を組み立てる工事。

このように、同じ現場でも使用する技術や材料によって、業種が細かく分かれるのが建設業許可の特徴です。

4. まとめ

とび・土工・コンクリート工事は、建物の安全と耐久性を左右する極めて重要な役割を果たします。これらの工事を適切に行うことは、その後のすべての工事を成功させるための鍵となります。

許可申請においては、それぞれの工事内容を正確に把握し、所有する資格や実務経験に合った業種を選択することが何より重要です。

左官工事、防水工事、とび・土工工事の技術者要件

建設業の新規許可申請において、左官工事防水工事とび・土工工事の3業種をまとめて取得することは、一見効率的に見えますが、営業所技術者資格の要件がそれぞれ異なるため、注意が必要です。

特に、実務経験の期間を短縮できる「施工管理技士」の資格が、どの業種に適用されるかが重要なポイントです。

 

1. 1級土木施工管理技士

これらの資格を持つ場合、とび・土工工事は営業所技術者要件を満たすために、原則として実務経験は不要です。

  • 左官工事:

    • 1級土木施工管理技士の資格に加えて、左官工事に関する実務経験が資格取得

    

    合格後3年以上必要となります。

  • とび・土工工事:

    • 1級土木施工管理技士の資格で営業所技術者として認められます。

  • 防水工事:

​   ・1級土木施工管理技士の資格に加えて、防水工事に関する実務経験が資格取得

    合格後3年以上必要となります。

2. 1級建築施工管理技士

これらの資格を持つ場合、左官工事とび・土工工事・防水工事の営業所技術者要件を満たすためには実務経験は不要です

このように、国家資格等で実務経験が必要性が異なります

これらの違いは、各業種の専門性と、施工管理技士が想定している工事の範囲によるものです。新規に複数の業種を申請する際は、所有している技術者資格がどの業種の要件を完全に満たしているかを事前に確認することが不可欠です。

 

. 左官工事とは?その伝統と現代の役割

  • 左官工事の概要:

    • 壁や床、天井にモルタルや漆喰、プラスターなどを塗り、仕上げる工事です。

    • 建物の内外装を美しく整えるだけでなく、耐久性や防火性、防水性などを高める重要な役割を担います。

  • 左官工事の例示:

    • モルタル工事

    • 漆喰(しっくい)工事

    • プラスター工事

    • 石膏ボードのパテ処理(壁紙を貼る前の下地処理)

    • 防水モルタルを用いた防水工事


 

2. 左官工事と「防水工事」の相違点

左官工事と防水工事は、どちらも水漏れを防ぐ目的を持つため混同されやすいですが、許可の考え方は明確に区別されています。

  • 防水工事:

    • アスファルト、モルタル、シーリング材などの材料を用いて、建物の屋上、外壁、バルコニーなどに専門的な防水層を形成する工事です。

    • 代表例:アスファルト防水、シート防水、ウレタン防水。

  • 左官工事:

    • モルタルなど、左官材料を塗ることで防水性を高める工事です。

    • 代表例:防水モルタルを塗る工事。

相違点: 使用する材料と施工方法が異なります。モルタル系の防水は左官工事、アスファルトやシートなど、防水を主たる目的とした材料を用いる場合は防水工事に分類されます。


 

3. 左官工事と「とび・土工工事」の相違点

特にモルタル工事やコンクリート工事は、とび・土工工事と混同されやすい部分です。

  • とび・土工工事:

    • 足場の設置、土砂の掘削、コンクリートの打設、杭打ちなど、建物の基礎や土台を築く工事です。

    • 代表例:地盤改良、基礎工事、コンクリート打設(流し込む作業)。

  • 左官工事:

    • 壁土やモルタル等を「コテ塗り」「吹き付け」で仕上げる工事です。コンクリートを流し込んだ後の表面を平滑にしたり、塗り厚を調整したりする作業が該当します。

相違点:

  • とび・土工工事は「基礎や土台を作るための工事」

  • 左官工事は「コテやハケを使って、塗り仕上げる工事」

この点を明確にすることで、読者はそれぞれの業種の役割を正確に理解することができます。

 

4. まとめ:許可申請の注意点

  • 左官工事の許可があれば、モルタルを用いた防水工事は行えますが、アスファルト防水やシート防水は行えません

  • 同様に、とび・土工工事の許可があっても、コンクリートのコテ仕上げは左官工事に該当する場合があり、注意が必要です。

  • これらの業種は重複する部分が多いため、それぞれの業務範囲を正確に把握しておくことが、建設業許可を適切に取得・維持するために不可欠です。

「左官工事、防水工事、とび・土工工事。一見似ているようで、許可の要件は全く異なります。どの許可を取得すべきか迷っている方は、ぜひ一度ご相談ください。

建設業の許可は、工事の種類に応じて全部で29の業種に分かれています。「大工工事」もその一つとして定められています。

建設業法における「大工工事」の定義

国土交通省の「建設工事の種類と内容」において、大工工事は以下のように定義されています。「木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事」これだけだと少し分かりにくいので、具体例を挙げると、主に以下の工事が大工工事に該当します。

  • 木造建築物(戸建て住宅など)の主要構造部:柱や梁、壁、床、屋根などの骨組みを組み立てる工事

  • 造作工事:窓枠、ドア枠、鴨居、敷居、階段などの取付け工事

 

大工工事と他の業種との線引き

大工工事は、建築一式工事や他の専門工事と混同されやすい部分があります。特に重要なのは以下の点です。

  • 建築一式工事:複数の専門工事を組み合わせて一つの建築物を完成させる「総合的な企画・指導・調整」を行う工事です。大工工事のみを行う場合は、原則として建築一式工事には該当しません。

  • 内装仕上工事:木材を使う場合もありますが、主に木製建具(木製のドアや窓など)や家具の取付け工事、木質系フローリングの施工などが含まれます。一方、大工工事は建物の骨組みや造作がメインとなります。

このように、大工工事の許可は、あくまで「木材の加工や取付け」を専門とする場合に取得するものです。請負金額が500万円以上の大工工事を請け負う場合は、この許可が必要となります。

建築一式工事は「建物の総合プロデューサー」

建設業許可の業務に携わる中で、いつも不思議に思っていたことがあります。それは、「建築一式工事」が具体的にどのような工事を指すのか、という点です。

専門書やガイドラインには、「1件の請負代金が1,500万円以上の工事(税込み)」、または「請負金額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡以上の工事」がこれに該当すると記されています。

もちろん、新築工事や大規模な改修工事がこれに当てはまるのは一般的ですが、「その他にはどんな種類があるのだろう?」と疑問に思うようになりました。

このブログでは、私が専門家として学んだ知識と、実務を通じて得た知見をもとに、その疑問を紐解いていきたいと思います。

【行政書士の疑問】「建築一式工事」は新築・改修以外にもある?

 

1. 導入:建築一式工事は「建物の総合プロデューサー」

  • 「一式工事」というと大規模なものと想像しがちですが、その本質は「総合的なマネジメント」にあることを先に示します。

  • 建築一式工事は、建物をゼロからつくる新築工事や大規模な改修工事を、全体を管理・調整しながら進める工事であると説明します。


 

2. 建築一式工事の具体的な工事内容

  • 「建築一式工事」に該当する具体的な工事を分かりやすく解説します。

  • 新築工事:

    • 木造住宅、マンション、商業施設など、建築確認を必要とする建物を、基礎から完成まで一貫して請け負う工事です。

    • ポイント: 基礎、大工、内装、電気、配管など、複数の専門工事を有機的に組み合わせて一つの建物を作り上げる点が、一式工事たる所以です。

  • 大規模な増改築・改修工事:

    • 建物の主要構造部(柱や壁など)の過半数に手を加えたり、増築後の床面積が基準を超えるような大規模なリフォーム工事も、建築一式工事に該当します。

    • ポイント: 一つの建物内で複数の専門工事を同時に進めるため、総合的な管理・調整が不可欠であることを強調します。


 

3. 許可の考え方:元請け工事と「総合的な企画・指導・調整」

  • 建築一式工事の許可が、他の専門工事の許可とどう違うのかを明確に説明します。

  • 原則は「元請け工事」:

    • 建築一式工事の許可は、発注者から工事全体を一括して請け負う元請けの立場で必要となる許可です。

    • 例えば、発注者から住宅の新築工事を請け負い、基礎工事はA社、大工工事はB社、電気工事はC社に発注する、というケースです。この場合、元請けであるあなたの会社が建築一式工事の許可を持つ必要があります。

  • 「総合的な企画・指導・調整」の重要性:

    • これが一式工事の核心です。複数の下請け業者を管理し、工程や品質、安全を全体として調整する能力が求められることを解説します。


 

4. 専門工事との違いと注意点

  • 読者が最も疑問に思う点、「建築一式」の許可があれば何でもできるのか、という問いに答えます。

  • 専門工事の許可は別途必要:

    • 「建築一式工事」の許可は、「建築物全体の管理」を請け負うためのものです。

    • 特定の専門工事だけを単体で請け負う場合(例:内装工事だけ、電気工事だけなど)は、それぞれの専門工事(内装仕上工事、電気工事)の許可が別途必要になります。

    • この点を明確にすることで、読者の誤解を防ぎ、記事の信頼性を高めます。


 

許可の本質は「信頼」

  • 建築一式工事の許可は、単なる手続きではなく、発注者に対して「この会社なら、複雑な工事全体を安心して任せられる」という信頼を与えるためのものであることを強調します。複雑な許可申請で消極的なられている社長さん、まずはお気軽にご相談ください。

 

建設業の種類 土木一式工事は「総合的な」工事

こんにちは!行政書士の山本です。 行政書士になるまで建設業の29業種について詳しく知らなかった私は、勉強を進める中でたくさんの疑問にぶつかりました。中でも、専門書やガイドラインを読んでも腑に落ちなかったのが【土木一式工事】です。

ガイドラインには、「原則として元請けの立場で、総合的な企画・指導・調整の下に土木工作物を建設する、大規模かつ複雑な工事」と書かれています。

具体例:橋梁、ダム、空港、トンネル、高速道路、団地造成など

これを見ると、確かに「大規模なインフラ工事」というイメージが先行しますよね。しかし、私が本当に知りたかったのは、「実際の現場ではどうなのか?」ということでした。特に、【とび・土工工事】との見分け方が最初の頃は難しく、何度もガイドラインを読み返しました。

この記事では、私が実務を通して理解した、土木一式工事の本当の姿についてお話しします。

 

イメージ通り!大規模な公共工事

ご指摘の通り、橋梁やダムといった公共工事は、まさに土木一式工事の代表例です。元請けのゼネコンが全体の計画を立て、多くの専門工事業者を統括して進める、数億円から数百億円規模の巨大プロジェクトです。これは、ガイドラインにある「大規模」というイメージにぴったり当てはまります。

 

実は身近な工事にも?規模で判断する落とし穴

しかし、必ずしも巨大な工事だけが土木一式に該当するわけではありません。「一式工事」は規模だけでなく、複数の専門工事を総合的に管理する「マネジメント」を請け負う工事を指します。

たとえば、専門書には「個人の造成は含まない」とありますが、これは単一の造成工事がとび・土工工事に該当するためです。しかし、数十区画にわたる大規模な宅地造成のように、道路や下水道、ガス管の埋設といった複数の工事を元請けとして統括的に請け負う場合は、土木一式工事に該当します。

また、もう一つの疑問点である水道管・ガス管工事についてです。専門書に「上水道は含まない」とある通り、公道下の水道管(配水小管)やガス管の敷設は、通常「管工事」に分類されます。一方で、公道下の下水道の本管工事は、土木一式工事とされています。これは、上下水道それぞれで異なる性質を持つためです。

 

「一式」の核心は「総合的な管理能力」

土木一式工事の許可は、工事の規模そのものよりも、「元請けとして、複数の専門工事業者を総合的に管理・調整する能力」が問われる点に特徴があります。

したがって、たとえ大規模でなくとも、複数の工事を統括して請け負うのであれば、この許可が必要になるのです。その本質は「総合的なマネジメント」にあると言えるでしょう。

 

このブログでは、今後も建設業の29業種を一つずつ、ガイドラインには書かれていない「現場の実態」も踏まえて解説していきます。ぜひ、次回の記事もお楽しみに!

現在の高岡市役所本庁舎は築50年以上が経過しており、老朽化耐震性の不足が深刻な問題となっています。

高岡市は2025年2月に新庁舎整備に向けたロードマップを公表しました。このロードマップでは、2034年度内の新庁舎竣工を目指し、段階的に計画を進めていく方針が示されています。これにより、建て替えの議論はより具体的な実行段階へと移行しています。

高岡市役所の建て替えは、単なる公共事業ではなく、市民の利便性、防災、そしてまちづくりの未来に深く関わる問題として、市長選でも大きな注目を集めました。

将来、高岡市の市役所建て替え工事に参加するには?

〜地元事業者が知っておくべき手続き〜

現在、高岡市役所の建て替え計画が進んでいることをご存じでしょうか?将来的にこの大規模な公共工事に参加したいと考えている方も多いかと思います。今回は、地元事業者が高岡市の市役所建て替え工事に参加するために必要な行政手続きについて、行政書士の視点からポイントを解説します。


1. 最初の関門:高岡市の「入札参加資格」を得る

公共工事の入札に参加するには、まず高岡市が実施する「入札参加資格審査」に合格し、資格者名簿に登録される必要があります。これは、事業者の経営状況や技術力などを客観的に評価するための大切な手続きです。

  • 申請書類の準備: 経営事項審査結果通知書(経審)、納税証明書、工事経歴書など、多くの書類が必要です。

  • 定期的な更新: 入札参加資格は有効期限があり、期限内に更新手続きを行わなければ資格を失ってしまいます。


2. 契約に向けて:入札から契約締結まで

資格を取得したら、いよいよ入札に参加できます。

  • 入札情報の確認: 高岡市の公式サイトや関連情報サイトで、市役所建て替え工事の入札公告をこまめにチェックしましょう。

  • 入札参加申し込み: 参加したい工事があれば、指定された期間内に必要書類を添えて申し込みます。

  • 落札・契約: 競争入札を経て、最も有利な条件を提示した事業者が落札し、高岡市と正式に工事請負契約を結びます。


3. 工事着手前に必要な各種届出

契約を結んだら、すぐに工事に取りかかれるわけではありません。工事の規模や内容に応じて、様々な法令に基づく届出が必要です。

  • 建設業許可: 建設業法に基づく許可は必須です。許可の種類(土木一式、建築一式など)も、工事内容に合わせて適切に取得しておく必要があります。

  • 建築確認申請: 建物を新築・増築する場合、建築基準法に基づき、市の建築指導課などに建築確認申請を行います。

  • 建設リサイクル法: 建物の解体や新築で、特定の資材(コンクリートなど)を扱う場合、分別解体等の計画を届出しなければなりません。

これらの手続きは、工事を円滑に進める上で不可欠です。

 

高岡市役所という大規模な公共工事では、求められる書類や手続きが多岐にわたります。

「必要な書類が多すぎて何から手をつけていいか分からない…」 「手続きに不備があって、せっかくのチャンスを逃したくない…」

このようなお悩みをお持ちの事業者様は、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。 やまもと行政書士事務所では、入札参加資格の取得から各種届出まで、高岡市の公共工事に参加するための手続きをサポートいたします。

高岡市の発展に貢献するため、共に市役所建て替え工事に参加できることを心より願っております。

一人親方が直面するいくつかの課題

能登半島地震で甚大な被害を受けた高岡市伏木地区。その復旧を支えたのは、富山県内に多くいらっしゃる、いわゆる「一人親方」の皆さんです。

一人親方とは、労働者を雇用せずに自分一人や家族で事業を営む個人事業主のことです。富山県では比較的この働き方が多く、災害時にはその機動力と技術力が大きく役立ちました。

彼らは、ご自身でスケジュールを組み、時には下請け業者に発注をかけながら、多大な責任を背負って業務にあたります。今回の地震でも、被災地の最前線で懸命に活動し、そのご活躍には本当に頭が下がります。

しかし、この働き方には特別な配慮が必要です。

 

一人親方が直面する労災リスクと「特別加入制度」

 

一人親方は、法律上「労働者」ではないため、通常の労災保険が適用されません。業務中に万が一事故やケガを負っても、会社員のように補償を受けることができないのです。

そこで重要になるのが、国の「特別加入制度」です。

これは、一人親方団体などを通じて申請し、承認を受けることで、事業主である一人親方も労働者と同様に労災保険に加入できる制度です。この制度のおかげで、業務中のケガや病気、休業時の補償などが受けられるようになります。現場の安全確保だけでなく、一人親方自身の生活を守るためにも不可欠な制度と言えます。

富山県の一人親方の皆さんが、これからも安心して仕事に打ち込めるよう、こうした制度が広く知られ、利用されることを願っています。

猛暑の作業効率を劇的に改善!空調服で涼しく快適に働く方法

最近、建設現場や屋外で働く方々が、ファンが付いたベストを着用されているのを目にする機会が増えました。正直なところ、最初は「なぜこんな暑い日に、あえてベストを着ているのだろう?」と不思議に思っていました。

まるで某キャラクターのように大きく膨らんでいる姿を見て、さらに疑問が深まりましたが、近くで拝見すると、ベストの両脇に小さな扇風機のようなものが付いていて、勢いよく回っているのが見えました。

自宅に帰って調べてみると、それが「空調服(くうちょうふく)」や「ファン付きウェア」と呼ばれるものだと分かりました。

なるほど、これは涼しいはずだと納得しました。服の中に風を送り込み、汗を気化させることで涼しさを生み出す仕組みだったのです。

また、以前にリチウムバッテリーが発火したというニュースを見ていたため、「直接体に身につけるもので、危なくないのだろうか?」という不安も抱きました。

調べてみると、ファン付きウェアに使われるバッテリーは、スマートフォンなどにも使用されているリチウムイオンバッテリーですが、多くのメーカーが安全性を確保するために様々な対策を講じていることが分かりました。

  • PSEマークの表示: 日本の法律(電気用品安全法)で定められた基準をクリアした製品には「PSEマーク」が表示されています。これは、安全性が確認された製品であることを示しています。

  • 保護回路の搭載: バッテリーには、過充電や過放電、ショートなどを自動で防ぐための「保護回路」が内蔵されています。

安全に使うためには、以下の点に注意することが大切です。

  • PSEマークを確認する: 購入時には、必ずPSEマークが付いている製品を選ぶ

  • 純正品や推奨品を使用する: バッテリーや充電器は、必ず製品に付属しているものか、メーカーが推奨しているものを使用してください。

  • 異常がないか確認する: バッテリーが膨張している、変形している、異常に熱いなどの異常が見られる場合は、使用を中止してください。

  • 適切な場所で保管する: 直射日光の当たる場所や高温になる場所に放置せず、涼しい場所で保管しましょう。

最近は建設現場に外国籍の作業員の方も増えてきたので、日本語での注意喚起だけで大丈夫かなと老婆心ながら思いました。

お盆を過ぎてもまだまだ厳しい残暑が続きます。熱中症にはどうぞお気をつけください。

インフラを支える「縁の下の力持ち」、建設業

こんにちは。本日、午前中に氷見市北八代にある先祖のお墓参りに行ってきました。

夫の両親が眠るお墓に手を合わせ、帰路につくため氷見市の北大町を通ると、そこには、令和6年能登半島地震の爪痕が今も残っていました。完全に更地になった場所もあれば、ブルーシートが張られたままの家屋も多く、胸が締め付けられる思いでした。

この地震では、氷見市だけでも水道管の破損により約4,200世帯で断水が発生したことが報じられています。

これをきっかけに、水道管の老朽化という、普段はあまり意識しないけれども私たちの生活に直結するインフラ問題について、改めて考えてみました。

 

インフラを支える「縁の下の力持ち」建設業

水道管の復旧や整備は、建設業法上の「管工事」に該当します。道路や電気、ガス、通信と並び、私たちの生活に不可欠なライフラインを守る水道管は、まさにインフラの主軸と言えるでしょう。

老朽化した水道管は、破裂や漏水を起こし、道路陥没などの重大な事故につながる恐れがあります。このような事故は、交通網の麻痺や二次的な災害を引き起こす可能性もあるため、その維持・更新は公共の安全を守る上で最重要課題の一つです。

また、高度経済成長期に整備された水道管の多くが耐用年数を迎えつつあります。今後の人口減少社会においても、効率的かつ計画的に水道管を更新し、安全な水供給体制を維持していくことは、持続可能な社会を築く上で不可欠です。

 

高岡市と氷見市の水道管事情はどうなっている?

それでは、私たちが住む地域の水道管は、どのような状況なのでしょうか。

 

●氷見市の水道管事情
  • 老朽管の更新と耐震化: 氷見市は、古くなった管路の更新計画を策定し、耐震化と効率的な更新を進めています。

  • 効率的な漏水対策: 経年化した管路の更新計画に加え、効率的な漏水調査を積極的に行い、給水管の更新を進めていると公表しています。

  • 過去の事故: 令和6年能登半島地震の際には、水道管の破損により約4,200世帯が断水したことが報じられています。

 

●高岡市の水道管事情
  • 老朽化の現状: 高岡市の上下水道施設の多くは、昭和40年代から50年代にかけて整備されたものが多く、老朽化が進んでいるとされています。

  • 老朽管更新計画: 市内中心部の老朽管渠については、道路陥没事故を引き起こす恐れがあるため、長寿命化計画に基づいて更新事業を進めています。特に、鉛製給水管は令和8年度末(2026年3月末)までに、市内全域の交換を完了する予定です。

  • 健康と安全への配慮: 鉛製給水管は漏水のリスクが高いだけでなく、水道水に微量の鉛が溶け出すおそれがあるため、市民の安全・安心な水供給のために重点的に更新が進められています。

このように、両市とも水道管の老朽化という課題に真剣に向き合い、計画的に更新を進めていることが分かります。

今回のブログでは、お墓参りという個人的な経験から、普段見過ごしがちな足元のインフラ問題について、高岡市と氷見市の状況を調べてみました。

私たちが何気なく蛇口をひねって使える安全な水も、それを支える人々の地道な努力と、市の長期的な計画によって守られているのだと改めて感じます。そして、この重要な役割を担っているのが、水道管工事を専門とする「管工事」の建設業者です。彼らの確かな技術と、それを証明する建設業許可が、私たちの生活の安全を支えているのです。

このブログが、皆さんが住む地域のインフラ、そしてそれを支える建設業の仕事について考えるきっかけになれば幸いです。

 

営業所(専任)技術者とは、建設業者が請負工事を施工するにあたり、各営業所に常勤する、担当業種の技術責任者です。その役割は非常に重要で、豊富な知識や経験を活かし、見積もりや契約内容の検討、工事の適正な履行までを一貫して管理し、発注者の期待に応える責任を担います。

専任性が求められる具体的な要件

この営業所(専任)技術者には「専任性」が求められます。これは、その技術者が常時その営業所に勤務し、他の業務と兼任せず、その職務に専念することを意味します。具体的に、以下のようなケースでは専任性があると認められません。

  • 勤務地からの距離: 住所が勤務する営業所の所在地から著しく離れており、通常の通勤が困難な場合。

  • 他の業務との兼任:

    • 他の営業所(他の建設業者の営業所も含む)で専任を要する職務を兼任している場合。

    • 建築士事務所を管理する建築士や、専任の宅地建物取引士など、他の法令により特定の事務所等で専任を要する職務についている場合。

    • 個人で事業を行っている者や、他の法人の常勤役員である場合。

    • その他、専任に近い状態にあると判断される場合。

 

専任性を証明するための確認書類

営業所(専任)技術者の常勤性を証明するためには、以下の書類が求められます。

  • 法人の場合:

    • 健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書: 会社が従業員の健康保険料と厚生年金保険料を計算するために、各人の標準報酬月額が記載された一覧表です。通常、毎年10月下旬から11月上旬ごろに会社に届き、社会保険に加入していることを証明する重要な書類です。

    • 住民税特別徴収税額通知書: 会社が従業員に代わって住民税を給与から天引きし、市区町村へ納付するために使われる書類です。会社向けの通知書には、全従業員の氏名と住民税額が一覧で記載されており、会社に在籍していることと給与が支払われていることを確認できます。

  • 個人事業主の場合: 確定申告書(第一表、第二表)および決算書など。

  • 確定申告書第一表

    • 「職業」の欄に、会社員や個人事業主などの職業を記載します。

    • 「事業所得」や「給与所得」の金額が記載されており、その収入源を明らかにします。

 ・確定申告書第二表

  • 扶養家族の情報などを記載します。

  • この書類単体で勤務先を特定することは難しいですが、第一表と合わせて、その人物の主な収入源が何かを証明する根拠となります。

これらの書類は、特に個人事業主が建設業許可申請をする際に、その事業の実態や収入を証明するために重要な役割を果たします。

建設業許可の取得や維持には、この営業所(専任)技術者の要件を正しく理解し、証明書類を適切に準備することが不可欠です。この記事が、営業所(専任)技術者の専任性に関する理解を深める一助となれば幸いです。もしご不明な点や、さらに詳しい情報が必要な場合は、専門家へのご相談をお勧めします。

2025年8月大雨被害 高岡市で被災された皆様へ

この度の富山県高岡市で発生した大雨により、被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます。

報道を通じて、住宅の全壊、床上・床下浸水をはじめ、道路の冠水や工場の浸水など、甚大な被害がもたらされたことを知り、胸を痛めております。

 

悪天候の中、仕事を続ける建設業の皆様へ

実は、大雨が降った7日に我が家ではエアコンの取り付け作業が行われました。こんな雨の中、本当に来ていただけるのかと不安に思っていました。

しかし、取り付け業者の皆様は、スマートフォンの緊急速報が鳴り響く中、作業を続けてくださいました。そのプロフェッショナルな姿勢とご尽力に、心から頭が下がる思いでした。

このような悪天候の中でも、私たちの生活を支えるために建設業の方々はお仕事をされています。どうか、くれぐれも危険のないように、ご自身の安全を第一にお考えいただきたいと思います。

 

被災された方へのメッセージ

被害に遭われた皆様が、一日も早く元の生活に戻れるよう、皆様のご安全と復旧を心よりお祈り申し上げます。

依然として雨が続いています。土砂災害やアンダーパスの冠水など、危険な場所には近づかないよう、引き続き注意して過ごされてください。

この困難な状況を、地域が一丸となって乗り越えていけるよう、微力ながら応援させていただきます。

お気軽にご相談ください

建設業許可の要件の中でも、特に重要なのが「常勤役員等」の証明です。

これまでは、事業所名が記載された健康保険証がその証明書類として広く使われてきました。健康保険証に会社名が記載されていることで、そこに常勤していることが一目で確認できたからです。

しかし、2024年12月2日以降、従来の健康保険証は新規発行が停止されました。これは、マイナンバーカードと健康保険証の一体化の流れによるものです。これに伴い、建設業許可申請における常勤役員等の証明方法も変更されました。

変更点のポイント

  1. 健康保険証の新規発行停止

    • 2024年12月2日以降、従来の紙の健康保険証は原則として発行されなくなりました。

  2. 証明書類の変更

    • マイナンバーカードの健康保険証には事業所名が記載されないため、これまでの健康保険証の写しを証明書類として利用することができなくなりました。

    • これにより、国土交通省および各都道府県は、これに代わる新しい証明書類を定めています。

富山県での常勤性証明に必要な書類

富山県では、健康保険証の代替書類として、以下のいずれか一つを提出することで常勤性を証明できます。

  • 健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し

  • 住民税特別徴収税額通知書の写し

  • 所属企業の雇用証明書(雇用されている場合)

なお、現在お持ちの有効期限内の健康保険証は、当面の間(令和7年12月まで)は引き続き利用可能です。

申請時の注意点

これらの書類を提出する際には、以下の点に注意が必要です。

  • 最新の書類を用意する: 提出書類は、申請日時点で最新のものを用意してください。

  • 行政書士への相談: この変更は申請者の書類準備の負担を増やす可能性があります。不明な点があれば、富山県の担当部署や専門家である行政書士に確認することをお勧めします。

この変更点を正しく理解し、事前に準備を進めることで、スムーズな建設業許可申請が可能になります。

人手不足と最低賃金改定の「ダブルパンチ」に悩む経営者へ

厚生労働省の中央最低賃金審議会は、2025年度の最低賃金の目安について、全国平均で時給1,118円とする方針をまとめました。これは過去最高の上昇幅となり、富山県においても、現行の998円から時給1,061円へと、初めて1,000円の大台を超える見込みです。

この大幅な引き上げは、人手不足の解消や労働者の生活安定に繋がる一方で、多くの企業、特に建設業界にとっては、人件費増という大きな課題をもたらします。結婚して若くしてマイホームを建てるのが定番の富山県では、私の事務所近くの能町小学校付近でも住宅の建設ラッシュが続いています。仕事はあるものの、深刻な人手不足、資材の高騰、そして最低賃金の上昇という、三重苦に悩む社長様は少なくありません。

一昔前は求職者で溢れていたハローワークも、今では求人者が必死に働き手を求めている状況です。賃金を上げても人が集まらない時代、私たちはこの変化の波をどのように乗り越えていけば良いのでしょうか。

賃金だけでは解決しない、人手不足の根本原因

「最低賃金を上げれば人が来てくれる」という、そんな単純な時代はもう終わってしまいました。給与を上げてもなかなか人が集まらない、採用コストばかりが増えていく…そんなふうにお悩みの社長様もいらっしゃるのではないでしょうか。

求職者の方々が本当に求めているのは、実は給与額だけではないのかもしれません。 昔は「仕事は見て盗むもの」と言われたものですが、今は、一つひとつ丁寧に教えてもらえる安心感や、将来のキャリアが見通せる会社を求める若い世代の方が増えているように感じます。土日がお休みだったり、有給休暇が取りやすかったり、残業を減らす取り組みなど、仕事とプライベートのバランスも、会社を選ぶ上でとても大切な要素になっていますよね。

「この会社で働くと、将来どうなれるのだろう?」という見通しが持てるかどうかが、特に若い世代の方にとっては重要なんです。資格取得を応援してくれる制度があったり、頑張りや技術力をきちんと評価してくれる仕組みがあるかどうかが、働く上でのやりがいやモチベーションに大きく影響する時代なのですね。


 

最低賃金改定をチャンスに変える「生き残り戦略」

賃金の上昇は、私たち経営者にとって、確かに大きな負担です。ただ、これを単なるコスト増と捉えるのではなく、「質の高い人材に長く続けてもらうための、大切な先行投資」だと考えてみるのはいかがでしょうか。

 

【戦略1】付加価値のある待遇で差別化を図る

賃金アップが難しいとしても、給与以外の部分で会社の魅力を高めていくことはできます。

  • 資格取得支援: 仕事に必要な資格の費用を会社が全額負担し、資格手当もつけることで、社員さんのスキルアップを温かく応援しましょう。

  • 福利厚生の充実: 家族手当や住宅手当、健康診断を少しグレードアップするなど、社員さんやそのご家族の生活を支える福利厚生を強化してみませんか。

  • 明確な評価制度: 頑張りや技術力がきちんと評価されて、お給料や役職に繋がるような、分かりやすい評価の仕組みを取り入れることで、社員さんの「やる気」を大切にしましょう。

  •  

【戦略2】IT導入で「生産性向上」を図る

人手が足りないからこそ、少ない人数でもお仕事を効率よく進めていくことが大切です。

  • 業務のDX化: スマートフォンやタブレットで図面を共有したり、勤怠管理のシステムを導入したりすることで、現場と事務所の連携をスムーズにしませんか。

  • 時間外労働の削減: 業務を効率化すれば残業も減らすことができ、働きやすい環境になります。これは、社員さんの定着率を上げるためにもとても大切なことですよね。


未来を見据えた積極的な経営戦略で、人手不足を乗り越える

物価が上がっていくのは、本当に厳しい現実です。スーパーで買う食品が、体感として1.5倍ほどになっていると感じる方も多いのではないでしょうか。ですが、このような大変な時代だからこそ、私たちの会社の真価が問われるのかもしれません。

ただ賃金を上げるだけでなく、そこで働く皆さんの声に耳を傾け、一人ひとりが働きがいを感じられる職場環境を築いていくことが、結果として会社の生産性を高め、人手不足という大きな課題を乗り越えていく力になります。

未来を見据えた積極的な経営戦略こそが、この変化の時代を力強く生き抜く鍵となるのではないでしょうか。

ここでは、特におすすめの資格を5つピックアップし、それぞれの概要と年収アップに繋がる理由を解説します

建設業で年収アップに繋がるおすすめ資格5選

 

1. 施工管理技士(国家資格)

資格の概要: 建設工事の現場において、工程管理、品質管理、安全管理、原価管理など、工事全体を監督・管理する専門家です。1級と2級があり、1級は大規模な工事の監理技術者になることができます。

年収アップに繋がる理由:

  • 法律で定められた工事現場に必須の資格であり、需要が非常に高いです。

  • 資格手当が支給される企業が多く、年収アップに直結します。

  • 監理技術者として責任ある立場を任されるため、管理職への昇進や、より高年収の企業への転職に有利です。

対象工事:

  • 土木施工管理技士

  • 建築施工管理技士

  • 電気工事施工管理技士

  • 管工事施工管理技士

  • 造園施工管理技士

  • 建設機械施工技士

  • 電気通信工事施工管理技士

 

2. 建築士(国家資格)

資格の概要: 建物の設計や工事監理を行う専門家です。一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類があり、特に一級建築士は全ての建物の設計・工事監理が可能です。

年収アップに繋がる理由:

  • 建築物の設計・工事監理は独占業務であり、高い専門性を持つ証明になります。

  • 建築事務所を開設して独立開業することも可能です。

  • 施工管理技士と同様に資格手当が手厚く、キャリアパスが広がります。

 

3. 宅地建物取引士(国家資格)

資格の概要: 宅地や建物の売買・賃貸の仲介を行う際に、重要事項の説明などを行う専門家です。

年収アップに繋がる理由:

  • 不動産開発を行う建設会社や、自社で土地を仕入れて建売住宅を販売する会社で重宝されます。

  • 営業職の場合、契約件数に応じてインセンティブが支給されることが多く、資格手当と合わせて大幅な年収アップが見込めます。

  • 建設業とは異なる分野の資格ですが、建設と不動産の両方の知識を持つことで、ビジネスチャンスが広がります。

 

4. 建設業経理士(民間資格)

資格の概要: 建設業特有の会計処理(完成工事高、未成工事支出金など)を専門的に行う資格です。1級から4級まであります。

年収アップに繋がる理由:

  • 建設業の経理は特殊なため、この資格を持つ人材は企業にとって貴重な存在です。

  • 特に1級は税理士試験の受験資格にもなるため、キャリアアップの選択肢が広がります。

  • 経理・総務職として年収アップや昇進に有利に働きます。

 

5. 技術士(国家資格)

資格の概要: 科学技術に関する高度な応用能力と豊富な実務経験を持つ技術者の最高峰の資格です。「建設部門」の技術士は、特に公共事業などの大規模プロジェクトで高い評価を受けます。

年収アップに繋がる理由:

  • 技術者としての最高峰の資格であり、社会的信用が非常に高いです。

  • 大規模な公共事業の入札条件に技術士の配置が求められることがあり、企業にとって不可欠な存在となります。

  • 取得難易度は高いですが、年収も大幅にアップし、技術コンサルタントとして独立する道も開けます。

これらの資格は、あなたの専門性を証明し、年収アップだけでなく、将来的なキャリアパスを広げるための強力な武器となります。

この暑い季節は、冷房の効いたカフェで資格の勉強をするのがおすすめです。快適な環境で「自分磨き」をすれば、集中力も高まり、効率よく年収アップを目指せますね。

 

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