鉄筋がなぜ必要なのか、その役割を初心者にも分かりやすく解説
能登半島地震では、多くの木造住宅が倒壊・全壊した一方で、鉄筋コンクリート(RC)造の建物は比較的被害が少なかったと報告されています。しかし、被害がなかったわけではなく、旧耐震基準の建物や地盤の変状が激しい場所では、傾斜や転倒、柱のせん断破壊などの被害も確認されています。
コンクリートだけでは地震に耐えられない理由
コンクリートは、その材料の特性上、圧縮力には非常に強いですが、引っ張る力や曲げる力には極めて弱いという性質を持っています。
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圧縮力に強い: 例えば、コンクリートブロックを両側から押しつぶすような力には、非常に高い強度を発揮します。
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引っ張る力・曲げる力に弱い: 一方で、コンクリートを引っ張ったり、梁のように中央部分に重いものを載せて曲げようとしたりすると、簡単にひび割れたり、割れたりしてしまいます。
地震の揺れは、建物を上下左右、あらゆる方向に揺らし、柱や梁に強い引っ張る力や曲げる力を繰り返し加えます。コンクリートだけの建物では、この力に耐えられず、瞬時に破壊されてしまう危険性があります。
このコンクリートの弱点を補うために、鉄筋という鋼材を組み合わせることで、鉄筋コンクリート造の建物は地震に強い構造となります。