現場で判断に迷いやすい他業種との区別、そして許可取得・運用における法令遵守上の重要事項を、行政書士の立場から解説いたします。

建設業者様が適正に事業を継続し、お客様からの信頼を得るために、ぜひご一読ください。

 

1. 塗装工事業と「混同しやすい他業種」の正確な区別

建設業許可は全29業種に分類されており、事業者が請け負う工事内容に応じて、適切な業種の許可を取得する必要があります。

塗装工事業は、「塗料、塗材等を工作物に吹き付け、塗り付け、又は貼り付ける工事」と明確に定義されています。

しかし、外壁・屋根のリフォームでは複数の工事が複合的に行われるため、特に以下の業種との線引きが重要です。

 
比較される業種 塗装工事業との区分 行政書士が強調するポイント(法令上の区別)
防水工事業 【別業種】 シーリング(コーキング)や塗膜防水など、水の浸入を防ぐことを主たる目的とする工事は「防水工事業」です。一般的なひび割れ補修のためのシーリングは、塗装工事の「付帯工事」として扱える場合がありますが、専門的な防水施工は別途、防水工事業の許可が必要です。
屋根工事業 【別業種】 屋根の塗り替えは「塗装工事業」ですが、屋根材の葺き替えや張り替え、構造的な補修は「屋根工事業」に該当します。塗装工事業の許可だけで、これらの工事を請け負うことはできません。
とび・土工工事業 【別業種】 足場の設置・解体は「とび・土工工事業」です。ただし、自社が請け負った塗装工事に付随して行う足場設置は、「附帯工事」として塗装工事業の許可で施工が可能です。これは、建設業法第4条で認められた特例です。

法令遵守の鍵:「附帯工事」の判断

附帯工事」とは、主たる工事に付随して行われる他の種類の軽微な工事を指します。塗装工事業者が足場設置や簡単なシーリングを行うことができるのは、この附帯工事の原則によるものです。

しかし、附帯工事の範囲を超えて、実質的に主たる工事となるような他の業種の工事を請け負うと、無許可営業と見なされるリスクがあるため、常に契約内容の確認と適切な業種の許可取得が求められます。

 

2. 建設業許可を取得・運用する際の3つの重要注意点

許可を申請し、維持していくにあたって、法令遵守のプロとして以下の3点にご注意いただくよう促します。

 

注意点 1. 「500万円」は厳密に税込総額で判断すること

建設業許可が必要となる税込500万円以上という基準は、税法ではなく建設業法に基づき厳格に適用されます。

請負金額を計算する際は、消費税、材料費、及び元請けとして請け負う工事の全ての費用を合算しなければなりません。

特に、税込500万円に近い工事を行う際は、金額の僅かな増加や税率変動によって基準を超過し、無許可営業とならないよう、細心の注意が必要です。

 

注意点 2. 許可がない業種の工事は「500万円未満でも」請け負えない

塗装工事業の許可しかお持ちでない場合、屋根工事業防水工事業の工事は、たとえ500万円未満であっても、原則として請け負うことはできません(附帯工事を除く)。

これは、建設業許可が「業種別」に取得するものであり、「軽微な工事」の例外規定は、許可を取得している業種についてのみ適用されるからです。無許可営業を避けるため、請け負う工事の業種を明確にし、必要であれば複数の業種で許可を取得してください。

 

注意点 3. 許可の更新・業種追加に備えた疎明資料の確実な管理

許可取得時に必要となる「経営業務の管理責任者」や「専任技術者」の実務経験を証明するための疎明資料(契約書、注文書、請求書など)は、許可の維持・更新・業種追加の際に、その継続性を証明するために非常に重要です。

これらの書類を最低5年間、できれば永続的に、誰が見ても分かる形で整理・保管しておくことが、建設業許可を円滑に維持するための鉄則です。

塗装工事業の建設業許可は、信頼性の証明であり、事業拡大の土台となります。

当事務所では、これらの法令上の複雑な判断や、必要書類の作成・収集について、建設業者様を徹底的にサポートしております。

許可の取得、更新、業種追加、または「この工事は許可が必要か?」といったご相談がございましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。適正な事業運営を通じて、皆様の発展に貢献いたします。

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