「建設業許可」「造園工事」「造園業」の違いについてですね。それぞれの意味と関係性は以下のようになります。
1. 建設業許可(造園工事業の許可)
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定義・目的: 建設業法に基づき、一定の規模以上の建設工事を請け負うために必要な許可です。
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造園工事業との関係: 建設業の29業種の一つとして「造園工事業」があります。
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この許可が必要となる「造園工事」とは、請負金額が税込500万円以上(または建築一式工事の場合は1,500万円以上など)の造園に関する建設工事を指します。
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軽微な工事(500万円未満の工事)のみを請け負う場合は、建設業許可は不要です。
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2. 造園工事(建設業法上の定義)
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定義: 建設業法上の「造園工事業」が対象とする工事です。
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具体的には、整地、樹木の植栽、景石の据付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事を言います。
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例: 植栽工事、景石工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、屋上等緑化工事、緑地育成工事(土壌改良や支柱設置を伴うもの)など。
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重要なポイント: 単に植木を剪定したり、草刈りをしたりするだけの維持管理や軽作業は、原則として建設業法上の「造園工事」には該当せず、建設業許可は不要とされています。これらは通常「役務」や「園芸サービス」として扱われます。
3. 造園業
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定義: 造園に関する業務全般を行う事業や職業そのものを指す、一般的な名称です。
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含まれる範囲:
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庭園、公園などの設計・施工(←これが建設業法上の「造園工事」に該当することが多い)
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庭木の剪定、伐採
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草刈り、除草
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植栽の維持管理
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外構工事の一部など、多岐にわたります。
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| 項目 | 建設業許可(造園工事業) | 造園工事(建設業法上のもの) | 造園業(一般的な用語) |
| 対象 | 一定規模以上の工事を請け負うための資格・許可 | 建設工事に該当する作業内容 | 造園に関する業務全般 |
| 必要性 | 請負金額が500万円以上の造園工事を行う場合に必須 | 庭園の築造、緑化、植生復元など、構造物を伴う工事 | 事業を営むこと自体に特段の許可は不要(ただし、廃棄物処理など別途許可が必要な場合あり) |
| 範囲 | 許可があればできる仕事の範囲 | 建設業法で定められた特定の作業 | 剪定、草刈り、維持管理なども含む広い概念 |
つまり、「造園業」という事業者が行う業務のうち、「造園工事」という定義に該当し、かつ500万円以上の請負金額になる場合に、「建設業許可(造園工事業)」が必要になる、という関係です。
建設業許可の取得や維持でお悩みの際は、どうぞお一人で抱え込まずご相談ください。 お客様の状況に合わせ、親身になって最適な解決策をご提案いたします。