「独立して一人親方になったけど、面倒な手続きは避けたい」「大きな仕事も請け負いたいけど、許可って何から始めればいいの?」
電気工事業を営む皆さん、このようなお悩みはありませんか? 電気工事の仕事をする上では、技術力だけでなく、法律で定められた手続きを適切に行うことが不可欠です。しかし、「登録」や「許可」の違い、そしてその背後にある『意外な関係』は非常に複雑で、多くの方が混乱してしまいます。
このブログでは、その複雑な手続きを分かりやすく解説し、皆さんが安心して事業を拡大できるようサポートします。
1. 電気工事業の「登録」と「届出」は何が違う?
まず、最も基本的な「登録」と「届出」の違いから見ていきましょう。
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登録電気工事業者: 建設業の許可を持っていない事業者が、電気工事業を営むために必要な手続きです。
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みなし登録電気工事業者(届出): すでに建設業の許可を持っている事業者が、電気工事業を営む際に必要な手続きです。
請負金額が500万円未満の「軽微な電気工事」のみを行う場合でも、電気工事業法に基づき、この登録または届出は必ず行う必要があります。これを怠ると、法律違反となり、罰則の対象となることがあります。
2. 「500万円の壁」!建設業許可はなぜ必要?
では、なぜ「建設業許可」が必要になるのでしょうか? 請負金額が500万円以上の工事(建築一式工事の場合は1,500万円以上)を請け負う場合、「建設業許可」が必要になります。
電気工事業は、建設業法で定められた29の建設業種の一つです。そのため、大きな工事を受注するためには、電気工事業の登録とは別に、建設業許可を取得しなければなりません。
建設業許可を取得することは、単に法律を遵守するだけでなく、社会的信用が向上し、より大規模な工事の受注機会を得るための重要なステップとなります。
3. 建設業許可の3つの要件と「実務経験10年」の落とし穴
建設業許可には、大きく分けて以下の3つの要件があります。
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経営業務の管理責任者(経管): 経営経験が一定期間ある人物が必要です。
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営業所技術者: 資格や実務経験を持った技術者が必要です。
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財産的基礎: 資本金や自己資本が一定額以上あることなど、財産要件を満たす必要があります。
特に注意が必要なのが、営業所技術者の「実務経験10年」の要件です。
第二種電気工事士の場合は免状交付後の実務経験3年以上が求められます。
他の建設業種では、実務経験が10年以上あれば営業所技術者になれるのが一般的ですが、電気工事業の場合は事情が異なります。電気工事士法により、電気工事は国家資格がないと従事できないため、実務経験として認められるのは、電気工事士の免状交付後の期間に限られます。
さらに、もう一つ重要な点があります。たとえ実務経験が10年以上あったとしても、その期間に勤務していた会社が電気工事業として登録していなければ、その経験は公的に証明することが極めて困難になります。法律上の義務を怠っている会社の業務を、行政庁が適正な実務経験として認めることはまずないからです。
後悔しないために、今すぐ専門家へご相談を
このように、電気工事業の許可や登録は非常に複雑で、要件や証明方法を誤ると、せっかく積んだ経験が認められないという事態になりかねません。
煩雑な書類作成や手続きは、専門家である行政書士に任せることで、皆さんは安心して本業に専念できます。ご自身の状況に合わせた最適な手続き方法を知るためにも、まずは一度お気軽にご相談ください。