この制度は、経営者の交代時でも事業をスムーズに継続させるための大切な手続きです。特に、新規で許可を取り直す手間や費用を省けるのが大きなメリットです。
たとえば、富山県知事許可を新規で取得する場合、9万円の手数料がかかります。しかし、この「承継」「相続」の手続きを利用すれば、その手数料は不要となります。
もし個人事業主が亡くなった際にこの手続きを怠ると、せっかくの許可が失効してしまい、事業の継続が難しくなります。
「承継」と「相続」の基本を押さえよう
承継(建設業法第17条の2)
法人の合併、会社分割、事業譲渡などによって、許可を持つ会社の地位を別の会社が引き継ぐ場合の手続きです。
承継の効力発生日
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あらかじめ認可を受けた場合、その会社の許可番号等を引き継げる時期は譲渡、合併、分割は契約した日ですが、注意しなければならないのが、新設合併の場合は、新たな会社の登記日に承継となります。ですので空白期間に注意が必要になります。
相続(建設業法第17条の3)
個人事業主が亡くなった際に、その相続人が事業を引き継ぐ場合の手続きです。
最重要ポイント:たった「30日」の期限
相続の場合、被相続人(亡くなった方)の死亡から30日以内に認可の申請手続きを完了させなければなりません。この短い期間内に手続きが間に合わないと、許可は失効してしまいます。
許可が失効すれば、事業を継続するためには新規で許可を再申請するしかなく、9万円の手数料や膨大な時間が必要となります。この30日という期限を絶対に守ることが、事業を守る上で極めて重要です。
事前の準備と専門家への相談を
特に相続の場合、30日という短い期間で膨大な手続きをこなすのは困難です。万が一の事態に備え、日頃から必要書類や手続きの流れを確認しておきましょう。不安なことや不明な点がある場合は、行政書士などの専門家へ早めに相談することをおすすめします。
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