相続人が散らばっている、前妻の子、日頃から交流がない等々
1,なぜ協議は難航するのか?
遠方に住まいがある、前妻の子、日頃から疎遠になっている場合は、協議も簡単にまとまりません。
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遺産分割協議は、お金の問題だけでなく、感情的な対立や長年の確執が表面化しやすく、まとまらないのは特別なことではありません。
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協議がまとまらない原因を理解し、その膠着状態を打開するための具体的な手順を解説します。
2. 膠着状態に陥る主な3つの原因
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原因A:感情的な対立
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「公平だと思えない」という不満や、特定の相続人に対する感情的なわだかまりが背景にある。
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原因B:財産の評価が難しい
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不動産の評価額で意見が割れる、未上場株など評価が難しい財産がある。
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原因C:専門知識の不足
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法定相続分や特別受益、寄与分などの法律知識が曖昧なため、議論が堂々巡りになる。
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3. 協議を前に進めるための具体的なステップ
まとまらない場合に、家庭内で無理に解決しようとせず、外部の専門家や公的機関を頼るステップを紹介します。
Step 1:情報整理と第三者の意見
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財産目録の正確化: まずは誰が見ても納得できる正確な財産目録を作成し、感情論ではなく事実ベースで議論する土台を整える。
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士業への相談(初期): 全員の代理人としてではなく、まず自分の状況を整理し、法的視点でのアドバイスをもらう。
Step 2:調停(家庭裁判所の活用)
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遺産分割調停の申し立て: 家庭裁判所の調停委員という第三者を交えて話し合いを進める方法を紹介する。
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調停のメリット: 裁判と違い、あくまで話し合いの場であり、費用や時間を抑えつつ、冷静に解決に導いてくれる。
Step 3:審判(裁判所の決定)
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審判とは: 調停でも合意に至らなかった場合、裁判官が最終的に「こう分けなさい」と決定を下す手続き。
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審判のデメリット: 相続人全員の意向が反映されにくく、法的な判断に基づいて決定されるため、理想の結果にならない可能性があることを伝える。長期に渡る恐れがあります。
4. トラブルを避けるために今できること
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遺言書の重要性: 故人が生前に遺言書を作成していれば、多くの場合、このトラブルは避けられます。
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現在協議で揉めている人は、感情的にならず「調停」という公的な手段があることを知っていると冷静になる場合があります。また、まだ健康な人は、「自分らしい終活」の一部として、遺言書作成を検討しましょう
当事務所では遺言書のサポートを行っています。些細な聞いてみたいことや相談に乗ってもらいたい等々お気軽にご相談ください。