高岡市が「認知症になっても安心して暮らせる地域づくり」
先日、高岡イオンで開催された「認知症パートナー養成講座」に参加しました。私は以前、ケアマネジャーとして活動していた経験があるため、認知症に関する知識はありましたが、今回の講座は改めて認知症の方やご家族が抱える課題について深く考える貴重な機会となりました。
特に感銘を受けたのは、高岡市が「認知症になっても安心して暮らせる地域づくり」を目指して実施している、行方不明時の支援サービスです。
1. 認知症SOS緊急ダイヤルシステム
これは、認知症の方が自宅からいなくなり、行方不明になった際に、早期発見・保護を可能にするためのシステムです。事前に登録しておくと、万が一の際に専用の緊急ダイヤルに通報するだけで、協力団体(「たかおか認知症パートナー宣言事業所」を含む)や協力員に行方不明者の情報がメールで一斉に配信され、捜索への協力を依頼できます。
このシステムがあることで、ご家族の精神的な負担が大きく軽減されると感じました。
2. お出かけ安心シール交付事業(どこシル伝言板)
もう一つは、「お出かけ安心シール交付事業」、通称「どこシル伝言板」です。これは、認知症の方の衣服や持ち物に、QRコード付きのラベルシールを貼り付けておくという画期的な仕組みです。
行方不明になったご本人を誰かが発見した際、その方がスマートフォンのカメラでシールを読み取ると、ご家族に通知が届き、インターネット上の「伝言板」でチャット形式のやり取りができます。個人情報が表示されないためプライバシーに配慮しつつ、発見者とご家族が安全に連絡を取り合える点が素晴らしいと感じました。
これらの事業は、SOS緊急ダイヤルシステムと併用することで、より早期の発見・保護につながる強力なネットワークとなっています。
行政書士として、地域に貢献できること
また、講座では、それぞれの校区にある地域包括支援センターが、日々の生活のお困りごとに熱心に取り組まれている姿も拝見し、頭が下がる思いでした。
私は行政書士として、介護保険の手続きだけでなく、成年後見制度や遺言、財産管理など、認知症を抱える方の法的なサポートを専門としています。今後は、これらの行政サービスと連携しながら、ご家族が安心して手続きを進められるようにお手伝いすることで、高岡市の目指す「共生社会」の実現に貢献していきたいと考えています。