3. 名義預金とみなされた場合の「ペナルティ」

名義預金の申告漏れが税務調査で発覚した場合、本来納めるべき相続税に加えて、追徴課税（ペナルティ）が課されます。

悪意がなくとも、管理状況などから悪質と判断されれば重加算税の対象になるケースもあります。残された家族に大きな負担をかけないためにも、「指摘される前に自主的に申告または修正申告を行うこと」が非常に重要です。

 

4. 【重要】名義預金とみなされないための確実な対策4選

「単なる名義預金」ではなく、税務上も有効な「生前贈与」として確実に認めてもらうための具体的な対策は以下の4点です。

 

1. 「贈与契約書」をその都度作成する

贈与は贈与者と受贈者の双方の合意があって初めて成立します。贈与の度に契約書を作成し、両者が署名・押印して保管することで、「合意があった」という最も強力な証拠になります。口約束は通用しないと考えましょう。

 

2. 通帳・印鑑・カードは名義人自身が管理する

財産の実質的な支配権を名義人（子や孫）に移すことが不可欠です。親がまとめて管理していると、いつでも親が使える財産と見なされます。名義人が自分で通帳・印鑑を保管し、自由に利用できる状態にしましょう。

 

3. 銀行振込で記録を残す

いつ、誰から誰へ、いくらのお金が移動したかを明確にするため、現金手渡しではなく銀行振込を利用しましょう。通帳の記録が、税務署への確かな証拠となります。

 

4. 必要に応じて贈与税の申告・納税を行う

年間110万円を超える贈与は申告が必須です。また、110万円以下の暦年贈与であっても、あえて申告を行うことで、税務署に贈与の事実を確実に認識させるという効果的な対策になります。

 

名義預金は、親の善意が意図せず「申告漏れ」という結果につながる、相続対策における大きな落とし穴です。

残されたご家族に税負担やトラブルを負わせないよう、この記事でご紹介した「名義預金とされないための4つの対策」を参考に、今すぐ家族で預金状況を確認し、正しい生前贈与への切り替えを検討しましょう。