建設業経理士2級は経営事項審査(経審)のポイント(加点対象)の一つです。
建設業界で働く皆さん、特に事務や経理に携わる方にとって、「建設業経理士2級」の資格は、ご自身のスキルアップはもちろん、会社の経営事項審査(通称:経審)で加点対象となる、非常に価値ある資格です。
経審の評価項目の一つである社会性等)の中の建設業の経理の状況では、建設業経理士の在籍が評価され、会社の総合評定値(P点)アップにつながります。これは公共工事の受注にも有利に働くため、会社にとっても大きなメリットがあるんです。
今回は、この建設業経理士2級の試験について、気になる日程や合格率を詳しく見ていきましょう。
建設業経理士2級の試験日程
建設業経理士2級の試験は、年に2回実施されます。計画的に学習を進めるためにも、まずは日程をしっかり把握しておきましょう。
令和7年度の試験日程は以下の通りです。
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上期試験(第37回)
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試験日:令和7年9月7日(日) 申込期間終わっています。
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インターネット申込期間:令和7年5月13日(火) ~ 6月12日(木)
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合格発表日:令和7年11月14日(金)
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下期試験(第38回)
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試験日:令和8年3月8日(日)
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インターネット申込期間:令和7年11月11日(火) ~ 12月11日(木)
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合格発表日:令和8年5月8日(金)
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申し込み期間は限られているので、受験を決めたら早めに手続きを済ませてくださいね。
建設業経理士2級の合格率と難易度
「建設業経理士2級って、実際どれくらい難しいの?」と気になる方もいるかもしれません。
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合格率:30%台後半~40%台前半で推移 直近の試験を見ると、合格率は概ね30%台後半から40%台前半で推移しています。これは、しっかりと対策をしないと合格が難しいことを示しています。決して簡単な試験ではありませんが、適切な学習をすれば十分に合格を目指せる現実的なラインと言えるでしょう。
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難易度:日商簿記2級レベル+建設業特有の会計知識 試験のレベルとしては、日商簿記2級程度の知識がベースとして求められます。それに加えて、建設業特有の勘定科目(完成工事高、完成工事原価など)や、工事進行基準・工事完成基準といった会計処理など、建設業会計に特化した専門知識が出題されます。 そのため、簿記の知識がある方でも、建設業会計の部分は改めて重点的に学習する必要があります。
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学習時間の目安 簿記の基礎知識がある方で200〜300時間程度、簿記初心者の方であれば300時間以上の学習時間が必要になることが多いと言われています。市販のテキストや問題集を繰り返し解く、専門学校の講座を利用するなど、ご自身に合った方法で効率よく学習を進めることが大切です。
建設業経理士2級の資格は、取得すれば会社にとっての価値が高まるだけでなく、ご自身の専門性を証明し、キャリアアップにも繋がる強力な武器となります。
特に、女性が建設業界で活躍する上で、経理という専門分野での資格は大きな強みになります。数字の知識で会社を支える存在として、より一層ご自身の市場価値を高めることができるでしょう。(女性に限らずですが。)
試験は年に2回チャンスがあります。ぜひ、ご自身のスキルアップと会社の発展のために、建設業経理士2級の取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。
建設業経理士2級の資格取得は、個人のスキルアップだけでなく、会社の経営事項審査にも加点されるなど、企業にとっても大きなメリットがあります。そこで、会社が従業員の資格取得を支援することには、さらに多くの利点があります。
単に「頑張って取ってきて」と伝えるだけでなく、会社として資格取得を積極的に支援する体制を整えてみてはいかがでしょうか? たとえば、
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受験費用やテキスト代を補助する
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資格取得奨励金制度を設ける
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資格取得に向けた学習時間の確保を支援する
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外部の講座受講費用を一部負担する
といった具体的なサポートです。
このような会社の支援は、従業員の学習意欲を大きく高めるだけでなく、「会社が自分の成長を応援してくれている」というエンゲージメントの向上にも繋がります。結果として、従業員の定着率アップや、専門知識を持った人材の育成にも寄与し、企業の競争力強化に繋がるはずです。
資格取得を会社全体で後押しすることで、従業員と会社の双方にとって、より良い未来を築くことができるでしょう。