相続のことって、遠い未来の話だと思っていませんか?
「有効な遺言書がない場合の相続は法定相続分になる」と、なんとなく分かっていても、実際にその時が来ないと、なかなか身をもっては分からないものです。人はつい、ぼんやりとやり過ごしてしまうものですよね。
ただ、いざ相続となれば、残された相続人は、目の前の財産に心がざわざわしてくるものです。これは本来、ごく自然な感情です。その時、もし故人様が「あー、あの子には特別世話になったのに、他の相続人と同じ取り分になってしまった…」と、あの世からどんなに大きな声をあげても、残念ながらもう届きません。
また、もしお子さんもいらっしゃらない独り身で、他に相続人がいない場合はどうでしょう? その財産は最終的に国の一般会計に入り、ご自身の意図しないところで使われてしまうかもしれません。
なぜ遺言書は「たった1割」しか用意されていないのか?
現在、日本で遺言書を用意してある方は、なんと約1割程度と言われています。
日本には最近まで、死後のことや財産について口にすることは、どこかタブー視され、あまり積極的に話さないような風潮がありました。「縁起でもない」と感じる方も少なくなかったのかもしれません。
しかし、遺言書がないことで、残された家族が「争族」になってしまったり、本当に助けたい人に財産を渡せなかったりするケースが後を絶ちません。
富山での家族会議がチャンス!今こそ「想い」を伝える時
まもなく、お盆を迎えますね。上京したお子さんやご親戚が一斉に富山に帰省し、久しぶりに家族みんなで顔を合わせる絶好の機会です。
そんな時だからこそ、ぜひ家族会議を開いてみてほしいのです。
美味しい富山の海の幸や山の幸を召し上がりながら、普段は話しにくいけれど大切なことを、ゆっくりと語り合ってみてください。
例えば、「お父さんは延命治療をしたくない。尊厳死宣言公正証書(公証役場にて作成する公正証書)をしておきたいんだ。」といった医療に関する意思や、具体的な財産の分け方、あるいは「まる(ペットの名前)のこと、頼むね」といった、本当に伝えたい「想い」を話すのです。
きっと、それは家族の絆を深め、将来の不安を解消する、非常に有意義な休日になるはずです。
遺言書は、単に財産を分けるための書類ではありません。それは、あなたが家族や大切な人たちへ贈る、「最期に伝えたい感謝と愛情のラブレター」です。
そして、遺言書があることで、残された家族が迷ったり、争ったりするのを防ぎ、故人様の「想い」を形にすることができます。
このお盆、富山で家族が集まる機会に、ぜひ一歩踏み出して、未来に向けた大切な話し合いを始めてみませんか? 必要であれば、専門家がそのお手伝いをさせていただきます。