「専任技術者」が「営業所技術者」へ!名称変更の背景と意味
1. はじめに:建設業許可のキーパーソン「専任技術者」が名称変更!
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リード: 「建設業許可」をお持ちの皆さん、あるいはこれから取得を考えている皆さん。「専任技術者」という言葉、よく耳にする重要な要件ですよね。実は、2024年12月の法改正により、その呼び名が新しくなりました!
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新名称の紹介: これからは、原則として「営業所技術者」と呼ばれます。特定建設業の場合は「特定営業所技術者」です。
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記事の目的: 名称変更で混乱しないよう、新しい「営業所技術者」の要件や役割、そして富山県での申請におけるポイントを分かりやすく解説します。
2. 「専任技術者」から「営業所技術者」へ!名称変更の背景と狙い
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改正のポイント: 2024年12月13日施行の改正建設業法で、これまで「専任技術者」と呼ばれていたものが「営業所技術者」という新しい名称になりました。
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なぜ名称変更?:
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役割の明確化: 営業所に常勤し、技術的な管理を行う担当者であることをより分かりやすく示すため。
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責任範囲の明確化: その役割や責任の所在を明確にする狙いがあります。
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一般・特定の区別: 一般建設業の「営業所技術者」と、特定建設業の「特定営業所技術者」を明確に区分するため。
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名称は変わりましたが、基本的な役割や配置要件に大きな変更はありません。ご安心ください。
3. 「営業所技術者」の基本的な要件をおさらい
名称は変わっても、その役割の重要性は変わりません。改めて「営業所技術者(旧 専任技術者)」に求められる要件を確認しましょう。
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常勤性: その営業所に「常勤」していることが必須です。他の仕事を兼業している場合や、非常勤の場合は認められません。
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専門性(実務経験または資格):
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【実務経験】
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許可を受けたい建設業種について、10年以上の実務経験があること。
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高校・大学の指定学科卒業の場合、必要な実務経験年数が短縮されます。(例:高校卒5年、大学・専門学校卒3年)
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【資格】
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許可を受けたい建設業種に応じた国家資格(例:1級・2級建築士、1級・2級施工管理技士、技術士など)を有していること。
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注意点: 営業所ごとに、それぞれの業種に対応した営業所技術者を配置する必要があります。(一人の技術者が複数の業種の要件を満たす場合は兼務可能)
4. 特定建設業の「特定営業所技術者」とは?
一般建設業の「営業所技術者」に加え、特定建設業許可を取得している場合は、さらに要件が厳しくなります。
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より高い専門性: 一般建設業よりも、より高度な国家資格や豊富な実務経験が求められます。
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請負金額の制限: 発注者から直接、1件の工事につき4,500万円以上(建築一式工事の場合は7,000万円以上)の工事を請け負う場合に必要となります。
5. 富山県での申請ポイントと注意点
富山県で「営業所技術者」の要件を満たし、建設業許可申請を行う際の具体的なポイントです。
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必要書類の準備:
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新名称に対応した最新の申請様式を使用すること。
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実務経験を証明する書類(契約書、注文書、請求書など)は、富山県庁の建設業許可担当部署の指示に従い、正確に準備しましょう。特に個人事業主時代や前職の経験を合算する場合は、証明が複雑になることがあります。
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資格の場合は、資格者証のコピーなどが必要です。
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常勤性の確認: 富山県庁では、健康保険証、源泉徴収票などを用いて常勤性を厳しく審査します。特に、他の会社に籍がある場合などは注意が必要です。
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変更届の重要性: 営業所技術者の変更があった場合は、速やかに富山県知事(または国土交通大臣)へ変更届を提出する義務があります。この届出を怠ると、許可が取り消される可能性もあるため、注意しましょう。
6. まとめ:名称変更に戸惑わず、正確な申請で信頼を築く
「専任技術者」から「営業所技術者」への名称変更は、建設業界全体のコンプライアンス意識を高めるための重要な一歩です。新しい呼び名に戸惑うこともあるかもしれませんが、その要件や役割を正しく理解することが、許可を維持し、さらに事業を拡大していく上で不可欠です。
富山県での建設業許可申請は、必要書類の多さや複雑な要件から、専門家である行政書士に依頼されるのが最もスムーズで確実です。
新しい「営業所技術者」の要件や、富山県での許可申請についてご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。あなたの会社の未来を確かなものにするため、全力でサポートいたします。