尊厳死という言葉を聞いたことはありますか?
これは、回復の見込みがない末期状態に陥った際、本人の意思に基づいて、過度な延命治療を避け、自然な形で穏やかな最期を迎えることを希望する意思表示です。
「安楽死」と混同されがちですが、安楽死は薬物などを用いて意図的に死を早めること。日本では法的に認められていません。尊厳死はあくまで、自然な死を受け入れるための選択です。
尊厳死宣言書は、もしもの時に備え、あなた自身の「死の迎え方」を家族や医療従事者に明確に伝えるための、非常に大切なツールなのです。
「尊厳死宣言公正証書」がもつ3つの大きな力
尊厳死の意思を伝える方法として、最も確実なのが「公正証書」にすることです。公正証書とは、公証人が作成する公的な文書であり、高い証明力を持ちます。この公正証書には、以下の3つの大きな力があります。
力1:あなたの意思を「公的に証明」する力
公正証書は、公証人があなたの意思能力を直接確認した上で作成されるため、法的に非常に強い証明力を持ちます。これにより、将来的に家族や親族間で意見が対立したり、意思が不明確だと疑われたりするトラブルを未然に防ぐことができます。
力2:家族の「重い決断」を軽くする力
もしもの時、家族は「延命治療を続けるべきか、やめるべきか」という、非常に重く、つらい決断を迫られます。尊厳死宣言公正証書があれば、あなたの明確な意思が示されているため、家族はその決断を自信を持って下すことができます。これは、愛する家族への最後の思いやりと言えるでしょう。
力3:医療現場における「高い信頼性」
医療現場では、法的に有効な文書である公正証書は尊重される傾向にあります。日本尊厳死協会の調査によると、リビング・ウィルを提示された医師の9割以上がその意思を尊重したというデータもあります。しかし、残念ながら、すべての医療機関で必ずしも従わなければならないという法的な強制力はまだありません。それでも、公正証書にすることであなたの意思は最大限尊重される可能性が高まります。
尊厳死宣言公正証書は、ご自身の最期を「自分らしく」過ごすための、確かな準備です。ご興味がある方は、ぜひご相談ください。