一人親方が直面するいくつかの課題
能登半島地震で甚大な被害を受けた高岡市伏木地区。その復旧を支えたのは、富山県内に多くいらっしゃる、いわゆる「一人親方」の皆さんです。
一人親方とは、労働者を雇用せずに自分一人や家族で事業を営む個人事業主のことです。富山県では比較的この働き方が多く、災害時にはその機動力と技術力が大きく役立ちました。
彼らは、ご自身でスケジュールを組み、時には下請け業者に発注をかけながら、多大な責任を背負って業務にあたります。今回の地震でも、被災地の最前線で懸命に活動し、そのご活躍には本当に頭が下がります。
しかし、この働き方には特別な配慮が必要です。
一人親方が直面する労災リスクと「特別加入制度」
一人親方は、法律上「労働者」ではないため、通常の労災保険が適用されません。業務中に万が一事故やケガを負っても、会社員のように補償を受けることができないのです。
そこで重要になるのが、国の「特別加入制度」です。
これは、一人親方団体などを通じて申請し、承認を受けることで、事業主である一人親方も労働者と同様に労災保険に加入できる制度です。この制度のおかげで、業務中のケガや病気、休業時の補償などが受けられるようになります。現場の安全確保だけでなく、一人親方自身の生活を守るためにも不可欠な制度と言えます。
富山県の一人親方の皆さんが、これからも安心して仕事に打ち込めるよう、こうした制度が広く知られ、利用されることを願っています。