公正証書遺言を作る際、最も重要なのが「遺言能力」の確認です。公証役場で公証人からどのような質問をされるのか、またその確認がなぜ重要なのかを解説します。

1. 遺言能力の2つの要件

遺言が法的に有効であるためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

  • 年齢の要件: 満15歳以上であること(親の同意は不要)。

  • 意思能力の要件: 遺言を作成する時点で、以下の3点を理解できる精神的な能力があること。

    1. 遺言の意味の理解: 自分の死後、法的な効力を持つ意思表示だと認識していること。

    2. 遺言内容の理解: 「誰に」「どの財産を」「どのくらい」与えるかを具体的に把握していること。

    3. 遺言結果の理解: 遺言によって、財産がどのように配分されるかを認識していること。

 

2. 公証人が行う「意思確認」とは?

公証人は、法律の専門家として、この「意思能力」を厳格に確認します。単に書類に署名・押印するだけでなく、遺言者と直接会って以下の点を多角的にチェックします。

  • 面談と質疑応答: 表情、言葉遣い、受け答えを通じて、意思疎通が可能か確認します。

  • 内容の確認: 遺言内容について、遺言者自身の言葉で説明できるか問いかけます。

  • 状況の確認: 遺言者が置かれている生活状況などを確認し、外部からの不当な影響を受けていないかを判断します。

 

3. 遺言能力が問題になりやすいケース

特に、以下のようなケースでは、遺言能力の有無が慎重に問われます。

  • 認知症(アルツハイマー病など)

  • 重い精神疾患(統合失調症や重度のうつ病など)

  • 重病による意識混濁

  • 薬物やアルコールの影響

 

4. 代理人が原案を持参した場合の注意点

代理人が遺言の原案を持ってきても、公証人が最終的に確認するのは遺言者本人の真の意思です。

もし、面談時に公証人が遺言者の認知機能に不安を感じた場合、手続きを中断して、医師の診断書や鑑定書の提出を求めることがあります。

 

5. なぜ医師の診断書が必要なのか?

証人は医学の専門家ではありません。医師の診断書は、遺言者の健康状態や認知機能に関する客観的な評価を提供してくれるため、公証人の判断を裏付ける重要な証拠となります。

診断書の要求は、将来的な相続争いを防ぎ、遺言の有効性をより確実にするための重要な手続きです。遺言者本人にとっては少し面倒に感じられるかもしれませんが、これは遺言を確実に執行させるために不可欠なステップなのです。

公正証書遺言は、公証人という専門家が関わることで、法的な有効性が高く、将来的な争いを防ぐ効果があります。多少の手間はかかりますが、ご自身の思いを確実に未来へ託すための、最も確実な方法の一つです。大切なご家族のために、公正証書遺言の作成を検討してみてはいかがでしょうか。

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