建設業の許可は、工事の種類に応じて全部で29の業種に分かれています。「大工工事」もその一つとして定められています。
建設業法における「大工工事」の定義
国土交通省の「建設工事の種類と内容」において、大工工事は以下のように定義されています。「木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事」これだけだと少し分かりにくいので、具体例を挙げると、主に以下の工事が大工工事に該当します。
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木造建築物(戸建て住宅など)の主要構造部:柱や梁、壁、床、屋根などの骨組みを組み立てる工事
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造作工事:窓枠、ドア枠、鴨居、敷居、階段などの取付け工事
大工工事と他の業種との線引き
大工工事は、建築一式工事や他の専門工事と混同されやすい部分があります。特に重要なのは以下の点です。
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建築一式工事:複数の専門工事を組み合わせて一つの建築物を完成させる「総合的な企画・指導・調整」を行う工事です。大工工事のみを行う場合は、原則として建築一式工事には該当しません。
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内装仕上工事:木材を使う場合もありますが、主に木製建具(木製のドアや窓など)や家具の取付け工事、木質系フローリングの施工などが含まれます。一方、大工工事は建物の骨組みや造作がメインとなります。
このように、大工工事の許可は、あくまで「木材の加工や取付け」を専門とする場合に取得するものです。請負金額が500万円以上の大工工事を請け負う場合は、この許可が必要となります。