とび・土工・コンクリート工事は、建設工事の基礎となる部分を担う【縁の下の力持ち】です。
1. とび・土工・コンクリート工事とは?
営業所技術者の要件を満たす国家資格の代表選手は2級土木管理施行技士(土木)です。
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「とび工事」: 足場や仮囲いの設置、解体、重量物の運搬・据付など、高所での作業や重量物の取り扱いを専門とする工事です。建物の安全な施工環境を整える「縁の下の力持ち」です。
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例: 新しいビルを建てる際の工事用足場を組む作業。
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「土工工事」: 土地の掘削や盛土、地盤改良など、建物を建てるための基礎となる部分の工事です。
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例: ビルの地下部分を作るための土砂を掘削する作業、軟弱な地盤を固める作業。
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「コンクリート工事」: 既成のコンクリート製品の設置や、コンクリートを流し込む作業(打設)などを行います。ただし、コンクリートを塗り固めて仕上げる作業は「左官工事」となります。
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例: 建物の基礎部分にコンクリートを流し込む作業、道路の側溝にプレキャストコンクリートを設置する作業。
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2. 他の業種との特別な相違点
この3つの工事は、建設工事の初期段階で行われることが多く、他の専門工事と明確な違いがあります。
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他の業種は「建物を造る」のに対し、とび・土工・コンクリート工事は「建物を造る準備をする」
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左官工事や内装仕上工事: 建物が完成した後の「仕上げ」を担います。
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電気工事や管工事: 建物の中に設備を組み込む「インフラ」を担います。
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とび・土工・コンクリート工事: これらの工事が始まる前に、安全な足場を組み、建物の土台となる地盤を固め、コンクリートで基礎を作るなど、「下準備」を担う専門工事です。
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3. 複雑なケース:とび・土工とコンクリート工事の関係
特に、コンクリート打設は「とび・土工」に含まれますが、コンクリートを固めるための型枠の組み立ては「型枠大工」として「大工工事」に分類されます。
この区別が、建設業許可申請で混乱を招くことがあります。
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とび・土工・コンクリート工事:
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コンクリートを流し込む作業(打設)。
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大工工事:
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コンクリートを流し込むための型枠を組み立てる工事。
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このように、同じ現場でも使用する技術や材料によって、業種が細かく分かれるのが建設業許可の特徴です。
4. まとめ
とび・土工・コンクリート工事は、建物の安全と耐久性を左右する極めて重要な役割を果たします。これらの工事を適切に行うことは、その後のすべての工事を成功させるための鍵となります。
許可申請においては、それぞれの工事内容を正確に把握し、所有する資格や実務経験に合った業種を選択することが何より重要です。