遺産分割協議書のための財産評価
相続手続きにおいて、遺産分割協議書を作成する際、もっとも重要なのが「財産をいくらで評価するか」です。相続税申告とは異なり、遺産分割においては法律で定められた厳密な評価基準はありません。
しかし、公平な分割を実現し、後のトラブルを防ぐためにも、原則として相続開始時(被相続人の死亡日)の「時価」で評価することが、最も妥当で公平とされています。
この「時価」を、客観的な根拠に基づいてどのように算出するのか、財産目録に記載すべき評価基準をまとめました。
1. 遺産分割協議における評価の基本原則
2. 主要財産の評価方法一覧(遺産分割協議用)
遺産分割協議書に添付する財産目録の評価基準をまとめました。
3. 【深掘り解説】高騰する金と変動する有価証券の評価
金相場の高騰や株式市場の急変(特定の方の総裁選出など)があった場合、その変動を公平に反映させることが重要になります。
金(ゴールド)の評価
金は日々相場が変動します。遺産分割の評価では、相続税申告のような特別な評価規定はなく、あくまで死亡日時点の客観的な市場価格(グラムあたりの小売価格や買取価格)を基準とします。
有価証券(上場株式)の評価
株価は時として乱高下しますが、遺産分割においては、相続税のように「最も低い価格」を選ぶという納税者に有利な規定は適用することは難しいです。公平を期すため、死亡日当日の終値を客観的な時価とします。遺産分割では時価(市場価格など)で公平な分割を目指しますが、相続税では税法上のルール(死亡日を含む3ヶ月間の最低価格など)で評価するため、その金額は一致しないことが一般的です。
ただし、協議が長期化し、死亡時の株価と協議時の株価に大きな開きが出た場合は、全相続人の同意を得て、協議成立時点の時価を採用することも有効な選択肢です。
遺産分割のための評価を一覧表で作成しましょう
財産目録の作成には、以下の項目を含む一覧表を作成し、評価の客観性を高めることが必須です。
遺産分割協議をスムーズに進めるためにも、まずは客観的な「時価」の把握から始めましょう!
遺産分割協議をスムーズに進めるための鍵は、評価額の「公平性」と「客観性」にあります。
複雑な不動産の時価評価や、非上場株式の評価、そして高騰する金の相場確定など、ご自身で進めるには難しい点が多いのも事実です。
「評価額の算定根拠」を明確にし、「揉めない遺産分割協議書」を作成するため、専門的な視点からしっかりサポートいたします。評価基準の確定や、協議書の作成について、ご不明な点やご不安な点がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
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