富山県特有の文化と相続の現実
富山県は、全国トップクラスの持ち家率を誇り、「結婚したら新築の一戸建てを建てる」という文化が根付いています。この堅実な文化は素晴らしいものですが、残念ながら、親世代から子世代への相続という局面で、新たな問題を生み出しています。
それは、「空き家問題の深刻化」です。
1. 富山の相続で不動産が空き家になる構造
富山県の相続財産には、全国と同様に不動産(土地・家屋)が高い割合を占めます。
【問題の構造】
親御さんが亡くなり実家を相続する際、相続人である子の多くは既に自分の持ち家(新築)を持っているため、実家に住む必要がありません。結果として、「誰も住まない空き家」となってしまい、管理不全のリスクが高まります。
【空き家率の現状】
富山県の空き家率は全国平均を上回る水準(約15%前後)にあり、この課題は他人事ではありません。あなたの親御さんの家も、将来的に空き家になる可能性があるのです。
2. 相続した実家を「負動産」にしないために
相続した空き家を放置すると、以下のようなリスクから、その資産はまさに「負動産」と化します。
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経済的な負担: 固定資産税や維持管理費がかかり続ける。
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行政指導のリスク: 老朽化が進むと倒壊リスクなどから、行政から「特定空き家」に指定され、指導や罰則の可能性が発生する。
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「特定空き家」として市町村から勧告を受けると、土地の固定資産税の「住宅用地の特例」が適用されなくなり、税額が最大6倍に跳ね上がります。これは、固定資産税の優遇措置(小規模住宅用地では課税標準が1/6になる)が適用除外となるためです。
この状況を解決し、資産の価値を守る有力な選択肢が、「中古物件(空き家)のリノベーション」です。
3. 空き家リノベーションは富山県に最適
新築志向が強い富山県ですが、空き家をリノベーションして活用することは、多くのメリットがあり、むしろ富山特有の空き家問題に最適な解決策となります。
| メリット | 富山での具体的な利点 |
| コストメリット | 割安な空き家を取得し、新築よりも総費用を抑えて理想の住まいを実現できます。 |
| 自由な設計 | 構造体の制約はありますが、内装や間取りを自由にデザインし、新築に負けない個性的な家が作れます。 |
| 行政の支援 | 富山市をはじめとする各市町村で、空き家の取得・リフォームや省エネ改修に対する補助金制度が充実しています。 |
| 地域貢献 | 地域に増え続ける空き家を再生し、地域の景観維持や活性化に貢献できます。 |
4.専門家にご相談ください
「新築にこだわる」という富山の文化も素晴らしいですが、増え続ける空き家と向き合い、その活用を考えることも、大切な資産を未来へつなぐ上で非常に重要です。
相続が発生し、空き家の処分や活用、リノベーション計画に悩まれたら、まずは専門家にご相談ください。
当事務所では、空き家活用のための「相続手続き」はもちろん、「不動産の登記手続き(司法書士と連携)」や「行政の補助金活用」に関するご相談まで、幅広くサポートしております。
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