今回は、人々の安全を守る上で欠かせない「消防施設工事」を専門とする事業者様が、事業拡大のために必ず取得すべき建設業許可について、重要ポイントを解説します。
「消防設備士の資格は持っているけど、建設業許可って必要なの?」と疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。
そもそも「消防施設工事」とは?
建設業許可における「消防施設工事」とは、火災警報設備、消火設備、避難設備などを設置する工事を指します。具体的には、以下のものが該当します。
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屋内・屋外消火栓設備工事
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スプリンクラー設備工事
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火災報知機設備工事
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避難器具設置工事
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消火器や避難設備の設置工事(※単なる販売や交換は含まない)
この工事を請負金額が500万円以上(税込)で行う場合は、建設業許可(特定建設業許可が必要な場合もあります)が必須となります。
ポイント: 500万円未満の軽微な工事のみを行う場合は許可は不要ですが、将来的な事業拡大を見据えるなら、早めの取得がおすすめです。
建設業許可取得のための重要要件:専任技術者
建設業許可を取得するためには、いくつかの要件をクリアする必要がありますが、「消防施設工事」において最も重要かつ専門的な要件の一つが「専任技術者」の確保です。
専任技術者になるためには、以下のいずれかの資格または実務経験が必要です。
特定の国家資格を持っている
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消防設備士(甲種または乙種で、特定の工事に対応できるもの)
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技術士(機械部門-流体工学または電気電子部門)
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一級または二級管工事施工管理技士(※指定学科卒業後に所定の実務経験が必要な場合があります)
所定の実務経験がある
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指定学科(機械工学、電気工学、土木工学など)を卒業後、5年以上の実務経験
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指定学科以外を卒業、または学歴不問の場合、10年以上の実務経験
特に消防施設工事では、消防設備士の資格が建設業許可の要件として認められる場合があるため、お手持ちの資格証を一度確認してみましょう。
知っておきたい!「機械器具設置工事」との違い
消防設備の中には、機械器具の設置に分類されるのでは?と悩む方もいらっしゃいます。
例えば、ポンプや配管を設置するスプリンクラー設備工事は「消防施設工事」に含まれますが、ビル空調設備などの機械設置と一体となって行う場合は、「管工事」や「機械器具設置工事」がメインとなる可能性もあります。
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消防法に基づく設備を設置する工事であれば、原則「消防施設工事」です。
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迷う場合は、工事内容の詳細を行政書士に相談し、適切な業種で許可を申請することが重要です。誤った業種で申請すると、許可が下りないだけでなく、その後の事業展開にも影響が出かねません。
お困りではありませんか?行政書士にご相談ください
消防施設工事の建設業許可申請は、単に書類を集めるだけでなく、専門的な知識と実務経験の証明が非常に重要となります。
「実務経験の証明はどうするの?」「複数の業種を同時に申請したいけど?」など、少しでも不安を感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。
当事務所では、お客様の状況を丁寧にヒアリングし、スムーズな許可取得を徹底サポートいたします!