相続が発生し、遺産分割を行う際、多くの方が直面するのが「遺産分割協議」です。この協議の結果をまとめる重要な書類が「遺産分割協議書」です。
行政書士は、この複雑な手続きにおいて、どのような役割を果たすのでしょうか?
1. 協議の「土俵」を整えるのが行政書士の仕事
遺産分割協議を円滑に進めるためには、まず相続人全員が公平に判断できる情報が必要です。行政書士の主な業務は以下の通りです。
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資料収集・調査:
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戸籍謄本収集による相続人の確定
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不動産や預貯金などの相続財産の調査・確定
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必要に応じて評価資料の収集
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遺産分割協議書の作成:
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収集した資料に基づき、相続人の皆様の合意内容を法的に正確に反映した協議書を作成します。
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相談・説明:
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手続きの流れや必要書類についての説明
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法定相続分などの基本的な法律知識に関する情報提供
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私たちが提供するのは、相続人の皆様が協議を行うための、客観的な事実と法的背景という「土俵」です。
2. 行政書士が「交渉代理人」になれない理由
遺産分割協議では、時に相続人同士の意見が対立することもあります。しかし、ここで重要なのが、行政書士は「交渉の代理人」として、特定の相続人の有利になるよう活動することはできないという点です。
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協議するのは相続人本人: 遺産分割協議は、相続人ご本人がその財産について話し合い、合意を形成する行為です。
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弁護士業務との違い: 特定の利害関係者の代理人として、相手方と交渉を行うことは、弁護士法によって弁護士の独占業務と定められています。
3. 中立公平な「調整係」・「連絡係」としての役割
それでは、相続人の皆様の意見がまとまらないとき、行政書士は何もできないのでしょうか?いいえ、むしろここでこそ行政書士の真価が発揮されます。
行政書士は、中立公平な第三者として、以下のような役割を担います。
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各人の意向の整理と確認: 相続人の方々から個別に話を聞き、それぞれの考えや希望を客観的に整理し、全員が共有できる形にします。
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情報の橋渡し(連絡係): 感情的な対立を避け、事実や法的な説明に焦点を当てた冷静なコミュニケーションをサポートします。
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調整係: 協議が行き詰まった際、私たちが準備した客観的な資料や法的情報に基づき、「この資料から見ると、次はどういう点を検討すべきか」といった建設的な議論を促す役割を果たします。
私たちは、特定の相続人の味方ではなく、「遺産分割協議が無事に成立し、協議書が完成する」というゴールに向けた、全体を見渡す調整役なのです。
まとめ
行政書士の相続業務は、資料収集という基礎固めから、協議内容を法的に正確に文書化することに加え、中立公平な立場からの「調整」と「情報提供」を通じて、相続人の皆様の円満な合意形成をサポートすることにあります。
遺産分割協議でお困りの際は、まずは中立的な立場でサポートする行政書士にご相談ください。