「500万円以上の電気工事を受注したいから、会社設立後すぐに建設業許可を取りたい!」
電気工事業者様から、このような熱いご相談をいただくことがよくあります。
結論から言うと、いきなり建設業許可を取ることは可能です!
ただし、電気工事業には「建設業法」と「電気工事業法」という2つの法律が複雑に絡み合うため、一歩間違えると「許可は取れたのに、自社で工事ができず法律違反になる」という恐ろしい事態に陥ることも……。
今回は、いきなり許可を取るための「最強ルート」と、実務で本当によくある「勘違いや落とし穴」について分かりやすく解説します!
1. いきなり建設業許可が取れるのはどんなケース?
ズバリ、「最初から強力な資格や実績を持った人を、責任者として確保できた場合」です。
通常は電気工事業の「登録」から始めてコツコツ実績を積むのが王道ですが、以下のような「即戦力」となる人材を新たに採用できれば、下積み期間を飛ばして、いきなり建設業許可の申請が可能です。
-
第1種電気工事士の資格を持っている人を雇った
-
他社(適法な登録業者)で3年以上の実務経験を積んだ第2種電気工事士を雇った
-
過去に他社で電気工事の建設業許可の「専任技術者」を長年務めていた人を雇った
【手続きの流れ】
この即戦力がいれば、以下の流れでスムーズに事業を拡大できます。
-
建設業許可の申請: 役所へ申請(※要件:500万円以上の資金力+上記の即戦力人材)
-
許可の取得: 約1〜2ヶ月後、無事に建設業許可(電気工事業)を取得!
-
【超重要】みなし登録の届出: 許可取得後、遅滞なく電気工事業の窓口へ「電気工事業開始届出(みなし登録)」を提出。
-
営業開始: 晴れて500万円以上の大きな工事も、小さな工事もすべて堂々と受注可能に!
2. 最大の罠!「級」と「種」の違いを理解していますか?
ここで、行政書士もヒヤッとする最大のトラップをご紹介します。
それは、「建設業許可の要件は満たせたのに、みなし登録ができない」というケースです。
建設業界の資格は名前が似ていますが、以下の2つは全くの別物です。
-
「級」(1級・2級):電気工事施工管理技士(現場の工程や安全を監督する資格)
-
「種」(第1種・第2種):電気工事士(実際に電気工事の作業をする資格)
危険な具体例
社長:「うちの従業員、1級電気工事施工管理技士を持ってるから、建設業許可を取って自社でバリバリ工事するよ!」
これ、実は大問題なんです。
1級施工管理技士がいれば、建設業許可の「専任技術者」には文句なしでなれます。つまり、500万円以上の契約はできるようになります。
しかし、自社で電気工事の作業を行うための「主任電気工事士(みなし登録)」になるには、絶対に「第1種」または「第2種(+3年経験)」の電気工事士免状が必要なのです。
結果として、「せっかく建設業許可を取ったのに、自社で電気工事の作業が一切できない(やったら法律違反)」という大惨事になってしまいます。
【最強の組み合わせ】
もし、「1級電気工事施工管理技士」+「第1種電気工事士」の両方を持っている人がいれば、建設業許可も一発クリア、みなし登録も無条件クリアとなります。これが、大きな工事の契約もできて自分たちで工事もできる完璧な電気工事会社を作る最強のルートです!
| 必要な役職 | 建設業許可の「専任技術者」 | みなし登録の「主任電気工事士」 |
| 根拠となる法律 | 建設業法 | 電気工事業法 |
| 役割 | 会社として500万円以上の契約を正しく結べるか見守る人 | 実際の電気工事の作業が安全に行われるか見守る人 |
| なれる資格(例) | ・1級/2級 電気工事施工管理技士 ・第1種電気工事士 ・第2種電気工事士(※取得後3年経験) | ・第1種電気工事士 ・第2種電気工事士(※取得後3年経験) ※施工管理技士だけでは絶対になれません! |
3. 数年後にやってくる「更新」の落とし穴
無事に建設業許可とみなし登録が完了しても、油断は禁物です。5年後にやってくる「うっかりミス」にご注意ください。
① 建設業許可:5年ごとに「更新」が必要
5年ごとに厳しい審査を受け直し、50,000円の法定費用を払って更新手続きをします。
② みなし登録:更新はないが「変更届」が必要!
みなし登録には更新手続きや更新手数料はありません。
「じゃあ、みなし登録はほったらかしでいいの?」と思うかもしれませんが、絶対にダメです。
建設業許可を更新すると、許可証の「許可年月日」が新しくなりますよね。みなし登録のルールでは、「登録内容(建設業許可の年月日など)に変更があったら遅滞なく届け出ること」と決められています。
つまり、建設業許可の更新が終わったら、速やかにみなし登録の窓口へ「許可年月日が新しくなりました!」という【変更届】を提出しなければなりません。(法定費用は無料です)
これを忘れたまま数年放置し、何かの拍子に役所へ行った際に「社長、変更届が出ていないので法律違反ですよ!」と怒られてしまうケースが非常に多いのです。
電気工事業の許可や登録は、このように「2つの法律」が絡むため、非常にパズル的で複雑です。
「うちの従業員の資格で、本当にいきなり許可が取れるの?」
「更新の時期が近づいているけど、みなし登録の手続きまで手が回らない……」
そんな時は、複雑な手続きを整理してスムーズに事業を進めるお手伝いをいたします。ぜひ当事務所まで、お気軽にご相談くださいね!