遺言書を作成する際、多くの方が頭を悩ませるのが「財産の分配方法」です。 特に最近ご相談が増えているのが、以下のような切実なお悩みです。

「自分が亡くなった後、実家や地方の土地を子どもに遺したいけれど、子どもからは『不動産はいらない、現金(お金)が欲しい』と言われてしまった……」

親としては「大切な資産」と思っていても、子ども世代にとっては「維持費や管理の手間がかかる負担(負動産)」になってしまうケースが少なくありません。

財産価値が低い、あるいは買い手がつかないような不動産をそのまま遺すと、次の代で大きなトラブルの種になります。では、私たちが生きているうちにできることは何でしょうか?

今回は、不要な不動産を次の代に押し付けないための「生前にやるべきこと」と「遺言書の工夫」を解説します。

 

1. 生前にやるべきこと:一番の解決策は「不要な不動産を売る」

子どもが「いらない」と明言しているなら、元気なうちに売却に動くことが最も確実な解決策です。

  • 「いつか売れる」は禁物 名義人が高齢になると、認知症などのリスクにより売却手続き(意思確認)が難しくなる「資産凍結」の恐れがあります。動けるうちに不動産会社に査定を依頼しましょう。

  • 現金化できれば分配もスムーズに 不動産を売却して現金に換えておけば、子どもたちへの配分も「1円単位」で公平に行えるため、遺言書での悩みも一気に解消します。

 

2. 売れない不動産はどうする?遺言書でできる2つのアプローチ

「売りたくても買い手がつかない」「自分が生きている間は住み続けたいから売れない」という場合、遺言書の書き方に工夫が必要です。

 

① 清算型遺贈(せいさんがたいぞう)を活用する

遺言書の中で、「不動産を売却して現金に換え、そのお金を子どもに分配する」と指定する方法です。 これなら、子どもが不動産の名義を引き継ぐ必要はなく、希望通り「お金」として受け取ることができます。 ※この場合、売却手続きをスムーズに進めるために、信頼できる専門家(行政書士など)を「遺言執行者」に指定しておくのが鉄則です。

 

② 財産価値のない不動産に「管理費(現金)」をつけて遺す

どうしても売れない山林や原野、古い空き家などを特定の相続人に遺さざるを得ない場合、「不動産と一緒に、将来の維持管理費(固定資産税や管理費の数年〜数十年分)として現金をセットで相続させる」という配分方法を検討します。 「お荷物」だけを押し付けるのではなく、管理に必要なコストを補填してあげることで、次の代の経済的負担を減らすことができます。

 

3. 次の代まで見据えて:令和の時代に求められる相続準備

今の時代、「土地を持っていれば安心」という常識は通用しなくなっています。 価値が上がらないどころか、所有しているだけでコストがかかり続ける不動産は、子ども世代の生活を圧迫しかねません。

遺言書を作る本当の目的は、「残された家族が、その後も仲良く幸せに暮らせるようにすること」のはずです。

そのためには、自分の希望を押し通すのではなく、 「この土地、次の代まで本当に必要か?」 「子どもたちにとって負担にならないか?」 を、生前にしっかりと家族で話し合うことが何より大切です。

 

悩んだらまずはご相談ください

「子どもに『いらない』と言われてショックだった……」 そう落ち込む必要はありません。生前に子どもの本音が聞けたのは、対策を打つための最大のチャンスです。

  • 我が家の場合は、売却と遺言どちらがいい?

  • 清算型遺贈の遺言書ってどう書けばいいの?

このようなお悩みがあれば、ぜひ一度、当事務所へご相談ください。次の代に負担を残さない、最適な遺言・相続プランを一緒に作っていきましょう。

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