皆様、こんにちは。 日々の業務の中で、遺言書作成のご相談をお受けする機会が多くあります。その中で感じるのは、「遺言書を残したい」と考える理由は、本当に人それぞれであるということです。
しかし、すべての方に共通している想いが一つあります。それは、「残された人たちが、その後も穏やかに、安心して過ごせるように」という深い愛情や思いやりです。
本日は、行政書士の視点から、皆様がどのような想いで「公正証書遺言」を作成されているのか、具体的なケースを交えてご紹介いたします。
公正証書遺言が選ばれる多様な理由
遺言書、特に確実性の高い公正証書遺言を作成される方々の背景には、以下のような切実な想いや事情があります。
-
子供のいないご夫婦が、全財産を妻(夫)に残したい お子様がいらっしゃらないご夫婦の場合、万が一の際、配偶者だけでなく亡くなった方の「兄弟姉妹(または甥姪)」も法定相続人となります。遺産分割協議で親族間のトラブルになるのを防ぎ、残された配偶者が住み慣れた家で安心して暮らしていけるよう、「全財産を妻(夫)に相続させる」という遺言を残すケースは非常に多く見られます。
-
事業が引き続き発展するように、後継者に財産を託したい ご自身で事業を営まれている方にとって、会社の株式や事業用の資産が分散してしまうことは、事業継続の大きなリスクとなります。手塩にかけて育てた事業が今後も発展していくよう、次世代を担う後継者に集中的に事業用財産を承継させるために遺言書は不可欠です。
-
生前お世話になった方や、学校・団体に寄付したい 法定相続人以外の方(例えば、長年介護をしてくれた息子の妻など)に財産を渡したい場合や、母校、応援している慈善団体、研究機関等に財産の一部を寄付(遺贈)して社会貢献をしたいというご希望も、遺言書があって初めて実現できます。
-
最後まで世話をしてくれた「内縁の妻(夫)」に財産を残したい 長年連れ添い、実質的な夫婦として生活していても、籍を入れていない「内縁関係」の場合、法律上の相続権は一切ありません。残されるパートナーの今後の生活を守るためには、生前に遺言書を作成しておくことが唯一にして最大の防衛策となります。
「書きたい」と思った時が、作成のタイミングです
上記のように、ご自身の財産を「誰に」「どのように」託すかは、ご自身の生き方や価値観そのものです。
遺言書を作成することは、決して縁起の悪いことではありません。むしろ、ご自身の築き上げた財産を最も有意義な形で活用し、大切な方々への最後のメッセージを残すための「前向きな準備」です。
自筆証書遺言(ご自身で書く遺言)も手軽で良いですが、形式不備で無効になるリスクや、偽造・紛失の恐れがない「公正証書遺言」での作成を、専門家としては強くおすすめいたします。公証人が関与するため確実性が高く、残されたご家族の相続手続きの負担も大きく軽減されます。
少しでも「遺言を残したいな」という思いが頭をよぎった方は、ぜひ積極的に、その想いを形にすることをご検討ください。
ご自身のケースではどのような文面が良いのか、何から始めれば良いのか迷われた際は、お気軽に当事務所までご相談ください。皆様の大切な想いを、法的に確実な形で残すお手伝いをさせていただきます。